日販による3月30日調べの週間ベストセラー(総合)ランキング1位は、石原慎太郎氏の
『天才』(幻冬舎刊)だった。トーハン調べ3月29日付けの週間ランキング(総合)でも本書は1位となっている。
『天才』は高等小学校卒業という学歴ながら、卓越した政治手腕と決断力で総理大臣まで上り詰めた田中角栄について書かれた一冊だ。石原氏はアンチ田中角栄だったが、この本では田中角栄の視点から「俺」という一人称を使ったモノローグ形式で、角栄の生涯を描いている。
■強烈なリーダーシップを日本人は望んでいるのか?田中角栄といえば「日本列島改造論」を掲げ、強烈なリーダーシップで日本の高度経済成長を促進した。また、外交面でも日中国交正常化にこぎつけるなど、その功績は計り知れない。ロッキード事件で失脚するが、その後にも大きな影響力を持ち続けた。
今なお、田中角栄のリーダーシップに惹きつけられる人は多い。『日本列島改造論』には発展してゆく日本の未来が込められていた。『天才』が今、このように多くの人に読まれているのは、日本人たちが本当のリーダーを渇望しているからなのかもしれない。
(新刊JP編集部)