舞台『娼年』が8月から東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウスほかで上演される。
石田衣良の小説『娼年』とその続編『逝年』をもとにした同公演。無気力に生きてきたフリーターの森中領が、ボーイズクラブ「クラブパッション」のオーナー・御堂静香と出会い、彼女の勧めで始めた男娼の仕事にやりがいを見出していく様や、次第に惹かれ合う2人の恋愛模様を描く。
静香に褒められたいという思いから仕事に打ち込む領役を演じるのは松坂桃李。静香役を高岡早紀が演じる。脚本・演出を手掛けるのは、演劇ユニット「ポツドール」の主宰で、監督作『何者』の公開を10月に控える三浦大輔。同公演は大阪、久留米でも上演される。東京公演のチケット一般販売は6月にスタートする予定。
松坂は同公演について「正直、これまで自分の出演する作品は全て両親に見て欲しいと思っていました。でも、今回に関しては、ためらいがあります。できることなら、観に来ないで欲しい。そのくらい自分の中で、覚悟を持って挑む作品です。観る方にも覚悟を持って観ていただきたいです」とコメント。
高岡は、「元娼婦で現在は『ボーイズクラブ』のオーナーという難解な役を頂き、とてもとても悩んでいます。稽古が始まるまで、ずっと悩み、夏に稽古が始まってからもずっと悩むと思いますが、そんな気持ちを、初めて出会う演出家の三浦さんにぶつけてどんなにも面白く興味深い作品を作り上げたいという『ワクワク』も止まりません」と意気込みを語っている。
■松坂桃李のコメント
原作を読んで、人の愛情には色んな形があり、自分が思っている“普通”という感覚にも個人差があると感じました。
でも、自分はリョウの“普通”に、共感する部分がありました。
決して自分の考えを押しつけず、戸惑いつつも、何事も受け入れようとする、そんなリョウがどことなく僕自身に似ているような気もしました。
人それぞれ、違った弱さを抱えていて、その弱さを見せまいと人に優しくしたり、人を傷つけたりする。
そういうことが繊細に伝わる本だと思います。
高岡早紀さんは妖艶でしなやかな印象を作品ごとに違った形で残している方だと勝手ながら思っています。
約4年ぶりの共演、懐かしくもあり、嬉しくもあります。共に素敵な作品を創り上げていくことを目指していきたいです。
演出の三浦さんとご一緒するのは初めてです。
センセーショナルな作品を世の中に生み出し続けている方、というイメージです。
今回、「娼年」「逝年」という原作を、舞台化するということは必然的にセンセーショナルな描き方もせざるを得ないと思います。
そうじゃないと伝わらないから。
本番だけでなく、幕が上がるまでの稽古期間を大切に魂を削りながら、三浦さんと向き合っていかなければと思っています。
正直、これまで自分の出演する作品は全て両親に見て欲しいと思っていました。
でも、今回に関しては、ためらいがあります。
できることなら、観に来ないで欲しい。
そのくらい自分の中で、覚悟を持って挑む作品です。
観る方にも覚悟を持って観ていただきたいです。
■高岡早紀のコメント
元娼婦で現在は『ボーイズクラブ』のオーナーという難解な役を頂き、とてもとても悩んでいます。
稽古が始まるまで、ずっと悩み、夏に稽古が始まってからもずっと悩むと思いますが、そんな気持ちを、初めて出会う演出家の三浦さんにぶつけてどんなにも面白く興味深い作品を作り上げたいという「ワクワク」も止まりません。
何にしても、桃李くんが演じる「リョウ」という青年を私が演じる「静香」がどんなに魅力的で女性にとって『理想の娼年』に育て上げるのか楽しみで仕方ありません。
■石田衣良のコメント
性の極限を描いた『娼年』をどう大胆に舞台化するか、松坂桃李さん、高岡早紀さんの挑戦に期待します。