4月2日に開催されるフォーミュラEの2015-2016シーズン第6戦ロングビーチePrix。その開催を前に、テレビ解説を行う片山右京氏にロングビーチ戦の見どころを聞いた。
■片山右京
Q:第5戦を振り返ってみてどんなレースでしたか?
前回の第5戦はフォーミュラE初のメキシコでの大会。大成功したF1に比べて、エンジン音がしないなどの理由で、EVによる未来のレースを受け入れてもらえないかと心配しましたが、杞憂に終わりました。基本的にラテン系の人たちはモータースポーツが好き、そのカテゴリーに国境はないと思いました。
メキシコシティのコースは、レイアウト的にもブレーキングを一本のラインで絞れば、ロングコーナーも含めてレコードラインがブロックラインにつながる。そのおかげでレースの緊張感を高めるという特殊性もありました。
でも、そんなオーバーテイクが難しい中でも(ルーカス・)ディ・グラッシはちゃんと順位を上げて優勝まで持って行った。これ以上ないというお手本のようなレースを見せてくれました(注:ディ・グラッシは最低車両重量違反でレース除外に。繰り上がりで優勝はジェローム・ダンブロシオ、2位にセバスチャン・ブエミ)。そんなディ・グラッシの完璧なレースに比べると、(セバスチャン)ブエミは少し熱くなった分、もろかったですね。そのブエミに対して(ジェローム)ダンブロシオのひょうひょうとしたところも一種の強さ。去年のドイツ以降、ディ・グラッシの失格で優勝してからずっと安定してポールを獲ったり、絶えず表彰台圏内にいるという安定感を見せています。その意味では、いいドライバーということを証明したレースだったと思います。
ダンブロシオのドラゴンレーシングは(ロイック・)デュバルも4位に入るなど、ふたりで2台、計4台の車をちゃんと走らせている。そのマネージメントを考えると、完全なるワークスではないもののドラゴンのチーム力は、トップチームと同等であることを証明しています。