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三代目JSB、『THE JSB LEGACY』で見せた「挑戦」と「持ち味」 彼ら“らしい”音楽性に迫る

2016年03月30日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE『THE JSB LEGACY』

 3月30日、7枚目のアルバム『THE JSB LEGACY』を発売した三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE。3月28日放送の『週刊EXILE』(TBS系)では、同アルバムの特集が組まれた。番組の中で、同作の発売についてメンバーのELLYが「三代目J Soul Brothersは、新しい挑戦を常にしていくグループ」と発言していたことが印象的だった。今回のアルバムには、確かにこれまでにない楽曲が盛り込まれている。ただし、そこには“三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE”らしさもしっかりと存在しているのだ。


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 “三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEらしさ”とはなんだろうか。はじめの頃は、ブラックミュージックをJPOPに変換したR&BやSOUL要素が強い楽曲が多く、ミディアムバラードも少なくなかった。しかし、徐々にEDM要素が強くなりはじめ、アップテンポの曲が増えていったように思う。パフォーマー+ボーカルというグループ体制のため、音源だけでなくパフォーマンスで魅せることを前提にした、“ノリやすい曲”が彼らの持ち味ではないか。


 『THE JSB LEGACY』に収録されている楽曲を聴いてみると、要所要所で新しい三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEが見てとれる。例えば『THE JSB LEGACY』のリード曲「Feel So Alive」は、彼らが公言する“新しい挑戦”の成果とも言える楽曲だろう。早めのBPMとお得意のEDM要素は健在だが、ELLYのガッツリとしたRAPが入ることでHIPHOP要素がプラスされ、新しいグルーヴが生み出されているのだ。またMVは“和とストリートの融合”がテーマになっており、「R.Y.U.S.E.I」「Summer Madness feat. Afrojack」に続く、ボーカルを含めた全員でのダンスという見どころも含まれている。


 それ以降の曲も、非常に多角的なアプローチがなされている。「STORM RIDERS feat.SLASH」や「BREAK OF DAWN」ではロックテイストが際立つ凛々しいイメージが展開され、アフロジャックがトラックを手がけた「Summer Madness feat.Afrojack」や、ポッキーのCMでお馴染みの「Share The Love」は、彼らの十八番であるEDM色の強い“アガる”曲になっている。「Dream Girl」は、R&Bボーカルダンスデュオ、またソングライターとしても活躍するLL BROTHERSのTAKANORIが作詞とボーカルディレクションに加わることで、より聴かせるR&Bに。「J.S.B. DREAM」はHIPHOP要素が多分に盛り込まれた楽曲で、彼らのチャレンジ精神がうかがえた。一方で「Unfair World」や「Born in the EXILE」のようなミディアムバラードもしっかり収録され、初期の彼ららしさも忘れていない。


 リード曲「Feel So Alive」をメインに新たな挑戦をしながら、他の楽曲では彼らの強みであるEDM色を出したり、原点とも言えるミディアムバラードを披露するなど、今までの良さも詰め込まれている『THE JSB LEGACY』。多角的なアプローチに挑戦しつつも、作品全体を通して聴くと、これまでの彼らの楽曲にも感じることができた要素をしっかり取り入れた作品なのである。様々なテイストを盛り込めることこそが彼らの強みであり、彼ら“らしさ”ではないだろうか。このように1枚のアルバムで様々な表情が見えるのは、多彩な才能を持ったメンバーが集まる三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEだからこそなせる技だろう。


 これまでどことなく先代に倣っていた彼らは、このアルバムをきっかけに“三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEらしさ”を開花させた様に思う。彼らが表現する「EXILE魂」から今後も目が離せない。(高橋梓)