デビュー戦となったオーストラリアGPでポイントを獲得したハースF1チーム。オーナーであるジーン・ハースは、チームが「トップチームと戦える」力があることを証明したと考えている。
二度目のプレシーズンテストは技術的なトラブルによって困難なものとなり、開幕戦の予選では戦略的なミスがあった。そして決勝レースでは17周目にエステバン・グティエレスとフェルナンド・アロンソの大クラッシュと波乱が続いたハース。F1デビューは、これ以上悪くなりようがないとも言えるものだった。しかし最終的にはロマン・グロージャンが6位でチェッカーを受け、63歳のアメリカ人、ジーン・ハースが笑った。
2014年4月に参戦の承認を受けて以降、長い準備期間を設けてきた判断の正しさが証明されたとハースは言う。
「このために長い時間をかけて仕事に取り組んできて、多くの人々が貢献してくれた。シャシーはもちろん、空力、エンジンなど、すべての仕事がとても重要だ。これらの作業をするために1年余分に時間をとったのだし、ベン(アガサンジェロー/チーフ空力技術者)も適切な空力を得るために多くの時間をかけたのだから、マシンの基盤は非常に安定したものとなっている。(プレシーズンテストを行った)バルセロナで、たくさんの未知の部分や技術的な問題などがあることはわかっていた。しかし、今季シャシーの基本的な部分は、かなり良いものになると思う」
グティエレスとアロンソが絡んだ事故が、グロージャンのパフォーマンスの足がかりになるという少しの幸運もあった。赤旗がもたらした20分の間に、グロージャンは一度きりと予定していたタイヤ交換を行い、交換したミディアムタイヤで最後まで走り切ることができた。
これ以外にもシャシーの強さ、パワーユニットの性能と、それに付随するフェラーリからの援助も加わって、チームには中団グループを走る実力がある。ハースは、さらなる改善の余地もあると言う。
「勝つことはできなかったが、6位でフィニッシュできた。力のあるトップチームとも戦えることを立証できたと思っている。ハースで働く人材は素晴らしく、この結果は彼らの士気を大いに高めてくれる。彼らは自分たちの仕事と、誰のために働いているのかという部分で自信を持っている。ドライバーの背中を押す存在になっていると思う。マシンは速く、装備もそろっている。来季は本当に素晴らしいシーズンになるだろう」
次戦バーレーンGPでは5位を狙うかとの質問に対しては「ここ(オーストラリア)では6位だったのだから、5位を狙わない理由はない。やってみよう」と答え、意欲的な姿勢を見せている。