午前と午後はローダウンフォース仕様での初走行、そしてナイトセッションではハイダウンフォース仕様のテストを行い、さまざまなデータを収集してテスト初日を終えたTOYOTA GAZOO Racing。WEC公式テスト2日目となる26日は、本来は6号車を駆る小林可夢偉/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイの3人が、TS050・5号車のステアリングを握る。マシンには昨夜から引き続き、ハイダウンフォースパッケージのエアロが装着されている。
気温12度、風もなく温かい日差しに包まれた午前9時にセッションがスタートすると、ポルシェ、アウディに先駆けて、今日はトヨタ5号車が真っ先にコースインしていった。ドライバーはサラザンだ。1分40秒7をマークし、タイミングモニターの最上段を陣取りセッションが進んでいく。やがてアウディ7号車もコース上に姿を現すと、1分40秒8というトヨタとほぼ同等のタイムをたたき出して周回を重ねていった。ポルシェはやや遅れてコースイン。今日は1号車のみが走行しているが、実質の計測1周目であっさりと1分40秒8をマークして、トヨタとアウディの間に割り込んだ。その後、午前10時頃にはアウディ7号車が1分39秒9というタイムを出してトップに浮上する。
各車、1分40~42秒というタイムでラップしていくなか、ティモ・ベルンハルトの駆るポルシェ1号車がやがて1分38秒7までタイムアップするが、5号車のサラザンがこれを上回る1分38秒2をマークし、トップを奪い返す展開に。
11時40分、サラザンからバトンを受けた可夢偉が、このテストで初めてのコースイン。中古タイヤでマシンのセットアップを進めることが、まずはこの日の可夢偉に与えられた役割だった。8周の計測を終え、ピットへと戻る。
しかし12時13分に可夢偉がピットアウトしていった直後、セッションは赤旗中断となる。ピットに戻ってこないのは、なんとトヨタ5号車だった。ハイブリッド系のトラブルが発生し、可夢偉はチームからの指示でマシンを止めたのだ。ただ実際には、安全のために幾重にも張り巡らされたワーニングシステムがなにかのきっかけで作動してしまっただけで、ハードウェアに問題はなかったのだという。
再開されたセッションでは、ポルシェ1号車のブレンドン・ハートレーが終盤のアタックで1分37秒8をマークして、トヨタからこのセッションのトップタイムを奪っていった。