長編部門のグランプリに輝いたのは、フランスとデンマークが共同製作した2Dアニメーション『TOUT EN HAUT DU MONDE』(Remy Chaye監督)である。女性探検家の生涯をシンプルで力強く描いた。
また優秀賞は、中国アニメーション映画で史上最大のヒットとなった『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』(田暁鵬監督)が選ばれた。こちらはフルCGでたっぷり表現した映像が見どころと対照的な受賞となった。
短編部門のグランプもヨーロッパからだった。こちらはクロアチアとデンマークの合作『Off Belay』、山登りをテーマした2Dアニメーションである。
優秀賞は2作品だった。インドの『Fisherwoman and Tuk Tuk』(Suresh Eriyat監督)は独特のキャラクター造形と、色づかいが魅力だ。もう1本は日本の木畠彩矢香さんの『息ができない』である。これまでも国内外のアワードをたびたび受賞してきたが、独自のサンドアニメーションでここでも大きな評価を受けた。
また、SEIKO賞はオーストラリアのMikey Hill監督による『The Orchestra』が決まった。
長編部門グランプリの挨拶に立った『TOUT EN HAUT DU MONDE』のDYENS RONプロデューサーらは、日本のアニメに対するリスペクトも交えながら、喜びの挨拶をした。また、審査委員の八木竜一氏は、「本当に素晴らし作品。シンプルでいて緻密な計算がある」、そして「最後まで引っ張って行く」とし、素晴らしい作品に出会えたと作品の魅力を紹介した。
東京アニメアワードフェスティバル2016コンペティション部門受賞作品
[長編部門] ■ グランプリ 『TOUT EN HAUT DU MONDE』 監督:Remy Chaye ■ 優秀賞 『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』 監督:田暁鵬