荻上直子監督の映画『彼らが本気で編むときは、』が、2017年2月25日から東京・新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国で公開される。
同作は、『かもめ食堂』『めがね』などの作品を発表している荻上監督の新作映画。育児放棄された小学生のトモと、トモの叔父・マキオ、マキオの恋人でトランスジェンダーのリンコの3人による奇妙な共同生活を描く。2013年に荻上が新聞記事で見つけた「トランスジェンダーの子どもを持つ母親が子どものためにニセ乳を作る」というエピソードに着想得たオリジナルストーリーとなる。
介護士として働くリンコ役を演じるのは、荻上が「他は考えられない」と出演を熱望したという生田斗真。恋人のリンコと暮らすマキオ役を桐谷健太、母親の家出によってリンコたちと暮らすことになるトモ役をオーディションで選出された新人の柿原りんかが演じる。
女性役に挑戦する生田は、「撮影に入ってみて、難しい役だと改めて実感していますが、こうした役をいただくことはそうないことですし、全力で取り組んでいます」とコメント。桐谷は「斗真とも『この映画は俺らのターニングポイントになりそうやね』と話しています。自分にとって何かが凄く変わりそうな作品と感じていますし、今までやったことのない人物像なので、自分自身も凄く楽しみだし、肩の力を抜いてマキオとして監督の世界にちゃんと漂えるようにしたいです!」と意気込みを語っている。
■生田斗真のコメント
荻上監督の最新作ということで、企画書をいただきました。トランスジェンダーの女性を描いていて、荻上監督独特の、かわいくもあるし、優しくもある温かい脚本で、監督の期待に応えたいという思いが湧きました。監督はとてもサバサバした方で、違ったら違う、よかったらよかったと物事をはっきり言ってくださるので、とても信頼しています。
桐谷さんの存在もとても心強いです。僕のことをたくさん褒めてくれるし、大丈夫、大丈夫って背中をポンと押してくれるんです。もともとマキオさんのように器が大きい俳優さんだし、頼りたくなる存在ですね。
撮影に入ってみて、難しい役だと改めて実感していますが、こうした役をいただくことはそうないことですし、全力で取り組んでいます。
■桐谷健太のコメント
最初はマネージャーから「すごい良い物語だよ。育児放棄した姉の娘を自分で育てていこうと思う青年役だ」と聞きました。
荻上監督作品は、『めがね』や『かもめ食堂』、『トイレット』などを以前観ていて、ホッとしたのを覚えています。脳みそとか腸とか、内臓が休まる感じのイメージがあって(笑)。荻上監督は、自分で本を書いて、自分で監督されているので、説得力が半端じゃないし、演出の指示が的確で、「なるほど、確かにそれがマキオかも!」って思えるんです。監督の演出によって、俺のマキオは余分なところが削がれ、本物の「小川マキオ」になって、転がり出していく感じです。
斗真とも「この映画は俺らのターニングポイントになりそうやね」と話しています。自分にとって何かが凄く変わりそうな作品と感じていますし、今までやったことのない人物像なので、自分自身も凄く楽しみだし、肩の力を抜いてマキオとして監督の世界にちゃんと漂えるようにしたいです!
撮影は映画の現場!って感じで楽しいです!
■荻上直子監督のコメント
数日前にクランクインしましたが、私にとっても、生田さんや桐谷さんにとっても、転機となる作品だと思っていますし、そうなるように努力しているところです。癒し系、スローライフなどが、私の過去の映画のイメージでした。ならば言いたい。本作『彼らが本気で編むときは、』では、癒やしてなるものか!もはや、生ぬるいものを作る気など一切ありません。この映画は、私の人生においても、映画監督としても、荻上直子、第二部の始まりなのです。