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飛行時間は「日の出から日没まで」 ドローンを飛ばすときに注意すべきポイント

2016年03月21日 10:01  弁護士ドットコム

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小型の無人飛行機「ドローン」を無許可で夜間に飛ばしたとして、兵庫県加古川市に住む会社員の男性が3月中旬、航空法違反などの疑いで書類送検された。


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昨年12月に施行された改正航空法では、人や家屋が密集する地域などでドローンを飛行させることが禁止されており、禁止区域外でも夜間に飛ばすには許可が必要とされている。



報道によると、男性は今年1月13日午後11時ごろ、加古川市の住宅街で、ドローンを無許可で飛ばした疑いが持たれている。この地域は、日中は飛行可能な地域だった。禁止区域外で、夜間に飛ばしたケースとして初めての摘発となるという。



法律上、ドローンを飛ばすにはさまざまな注意が必要となっているが、どのようなポイントに気をつければいいのか。ロボットと法律の問題にくわしい小林正啓弁護士に聞いた。



●規制されるのは「200グラム以上」のドローン


「ドローンに対する法規制は、3段階になっています。



1つ目は、規制されるドローンの範囲です。



航空法で、ドローンは『構造上、人が乗ることができないもののうち、遠隔操作または自動操縦によって飛行させることができるもの』とされています。そして、国土交通省令によって、200グラム以上のものと定められています。200グラム未満は規制されていません。



2つ目は、飛行禁止空域です。空港周辺や人口密集地域の上空などが飛行禁止とされています。また、地上・水面からの高さによる制限もあります。



そして3つ目は、飛行方法です。改正航空法で、飛行時間について『日の出から日没まで』と規定されています。この時間帯以外で飛行させる場合、国土交通省の承認が必要とされています」



承認を受けるためにはどうすればいいのだろうか。



「開庁日で数えて、飛行予定日の10日以上前に、40項目以上の必要事項を記載した許可・承認申請書を提出する必要があります。



ほかにも、目視できない範囲での飛行や、人または建物等の30メートル以内に近づく飛行や、祭礼など人混みの上空での飛行などについて、同様の事前承認が必要と定められています。これらの規制は、飛行許可が必要ない空域でドローンを飛ばす場合にも、適用されます」



●明け方や夕方でも「事前承認」が必要となる場合がある


今回、男性は午後11時ごろにドローンを飛ばしていたということだが、航空法の「日の出から日没まで」というのはどういう意味なのだろうか。



「改正航空法は『日の出から日没まで』と定めています。真夜中でなくても、明け方や夕方に飛行するときにも、事前承認が必要となる場合があります。



これらの規制はいうまでもなく、飛行の安全確保を目的としたものですが、事前承認の手続を取らなければ、仮に万全の安全確保をおこなったとしても、50万円以下の罰金という刑事処罰の対象となります。注意が必要です。



なお、航空法はドローンが『空』を飛行する場合にしか適用されません。したがって、体育館の中など、屋内で飛ばす場合には適用はありません」



小林弁護士はこのように話していた。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
小林 正啓(こばやし・まさひろ)弁護士
1992年弁護士登録。一般民事事件の傍ら、ヒューマノイドロボットの安全性の問題と、ネットワークロボットや防犯カメラ・監視カメラとプライバシー権との調整問題に取り組む。
事務所名:花水木法律事務所
事務所URL:http://www.hanamizukilaw.jp/