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細野晴臣と鈴木惣一朗が語り合う、『録音術』のツボ「『できちゃったものは仕方ない』というのが、僕のやり方」

2016年03月20日 14:01  リアルサウンド

リアルサウンド

細野晴臣(左)と鈴木惣一朗(右)。(写真=竹内洋平)

 鈴木惣一朗著『細野晴臣 録音術』(DU BOOKS)は、間違いなく労作だ。だが同時に、もしこれを音楽の録音に興味がある人が読む専門書とするならば、これほど不思議な一冊もなかなかないだろう。


 “録音術”と書いてあれば、たいていの読者は「あのとき、あのアルバムでこういう機材でこんな作業を行った」という類の実証的な証言や資料を期待する。もちろん、そうした作業面、資料面でのリサーチも行われてはいるのだが、本書がより明確に焦点を当てているのは、細野とのレコーディングに付き合ったレコーディング・エンジニアその人たちがどんな出自で、どんな性格で、そのとき何を考えながら仕事をしていたのかを探るというもの。1972年の『HOSONO HOUSE』に始まり、2013年の『Heavenly Music』に至るソロ・アーティスト細野晴臣の足跡を、それぞれの作品に関わったレコーディング・エンジニア7人(吉野金次、田中信一、吉沢典夫、寺田康彦、飯尾芳史、原口宏、原真人)に話を聞いてゆく。彼らは細野が志していた録音術を熟知しているわけではなく、「どういうことをしたいんだろう?」と葛藤し、合意できるツボを探りながら仕事をしていたことがよくわかる。


 しかも、その話の聞き手は、細野自身ではない。実験と苦闘を目撃してきた職人たちに、淡々と話を聞いてゆくのは、鈴木惣一朗。ワールド・スタンダード、ソギー・チェリオス、エスタシオンといった自身のプロジェクトや、プロデューサーとしてハナレグミなどさまざまなミュージシャンの作品を手がけてきた鈴木のデビューは、1985年、細野が主宰したレーベル、ノン・スタンダード(NON-STANDARD)から。言ってみれば30年に及ぶ師匠と弟子なわけで、師に代わって音楽制作にまつわる真相を解き明かすべくこの場を設けたと解釈することもできる。だが、そこだけに注目して本書を読むことも、なんだかすこし的を外してしまっているようにも思えるのだ。


 そもそも、師弟関係という呼び方すら、二人は拒否するだろう。歳の離れた友人と言うには語弊があるが、上下関係と言うには言葉に遠慮がなく、会話はいつも心地よい間とグルーヴに満ちている。長期にわたって収録した二人の対談を本にした2冊『分福茶釜』(2008年/平凡社ライブラリー)、『止まっていた時計がまたうごきはじめた』(2015年/平凡社)を読めば、その丁々発止のやりとりは存分に味わえた。


 『録音術』が発行されてから、細野晴臣、鈴木惣一朗のふたりが行う対談(ラジオ『Daisy Holiday!』の収録と並行して行われた)は、これが初めてだという。『分福茶釜』『止まっていた時計がまたうごきはじめた』の愛読者としては、あの会話の心地よさが野暮な質問で分断されることは本意ではない。なので質問は最小限にとどめて、二人の会話を中心にしてグルーヴを再構成してみた。(松永良平)


・「みんな細野さんのことが好きだってことを細野さんに知らせたかった」(鈴木)


細野:やっと正月に読めたの。おもしろかったよ。僕が知らないことがいっぱい出てた。


鈴木:そうでしょ。


細野:「エンジニアの人って、なに考えてんだろ?」って思ってたけど。


鈴木:そこだ。そこを知ってほしかったの。


細野:みんなクールだよね。


鈴木:そうなんですよ、かっこいいなと思いました。


細野:職人というかな。


鈴木:匠(たくみ)ですよね。


細野:自分の仕事をこつこつとまっとうしていく感じで、ときどきそこに僕が顔出したりしてみんな戸惑う、とかね。


鈴木:これはちょっと語弊もありますけど、細野さん、どんどんいろんなことが忘却の彼方というか、素敵な思い出に消えてってますよね。


細野:素敵な思い出も消えちゃう(笑)


鈴木:それで、これは周りの人のほうが覚えてるという状況にだんだんなってきて。


細野:それは確かにそう。


鈴木:僕も僕なりに細野さんとの思い出をいろいろ忘れないようにしてますが、より現場で細野さんを見てきたエンジニアに話を聞きたかった。それが僕の素朴な動機です。


細野:うん。


鈴木:で、会ったことのある人と会ったことのない人がいて。会ってみたかった吉沢(典夫)さん、おっかなかった田中(信一)さんとあらためて会いたかったとか。


細野:田中さん、別に怖くないでしょ?(笑)


鈴木:いや、怖くなかったけど、イメージですよ(笑)。みなさんそれぞれ、僕にとっても思い入れのある人ですが、ぶち抜き40年くらいの細野さんのキャリアを現場で見てきた人たちなわけだから、その話をしたかったし、みんな細野さんのことが好きだってことを細野さんに知らせたかった。


細野:それは、僕はわからないよね。


鈴木:やっぱりね、恥ずかしいわけよ! 男同士だもん。


細野:そりゃそうだ。「好き」とか言われたことないもん。


鈴木:それをさ、僕に言ってくれるわけじゃない?


細野:「好き」とは言ってないよ。


鈴木:もう一回読んでくださいよ(笑)。行間からあふれでるみなさんの思いがあるわけですから。


細野:そうか。そんなには読んでなかったな。


鈴木:そんなに孤独じゃないんですよ。


細野:別に孤独だなんて言ってないよ(笑)


鈴木:いや、孤独が好きなのは知ってるから。


細野:孤独じゃないと音楽は作れないからね。ゲーテもそう言ってるからね。「孤独じゃないと物は作れない」って。


 過去40年以上にわたって細野が作り出してきた音楽は、日本のポップス史上、それまでに前例のないものだった。自宅に機材を持ち込んでのプライベートなスタイルでの録音、エキゾチカやアメリカ南部の音楽に着想を得たチャンキー・サウンド、テクノロジーと人間の共生を志したエレクトロニカ、ルーツ・ミュージックの失われた響きをデジタル・レコーディングで見出そうとする試み……。細野本人にすら正しい方法が見えているわけではなく、その先を知らずに進む本当のアドヴェンチャーの繰り返しだったということが、本書を通じてあらためて伝わってきた。


 参考までに、本書に登場するエンジニアたちの担当した作品を挙げておく。
 吉野金次 『HOSONO HOUSE』(1972年)
 田中信一 『TROPICAL DANDY』(1975年)『泰安洋行』(1976年)
 吉沢典夫 『PARAISO』(1978年)
 寺田康彦 『S・F・X』(1984年)『Medicine Conpilation』(1993年)
 飯尾芳史 『PHILHARMONY』(1983年)『Omni Sight Seeing』(1989年)
 原口 宏 『FLYING SAUCER 1947』(2007年)『HoSoNoVa』(2011年)
 原 真人 『Heavenly Music』(2013年)


・「フル・ヴォリュームで車で音が割れなければ、いいミックスだなと思う」(細野)


細野:吉沢さん、田中さんとはあまりプライベートなことは話さなかったから、この本で話が読めたのは印象的だったね。


鈴木:本の中で、吉沢さんが録った細野さんのベースの音を気にしてたでしょ?


細野:そうだったね。


鈴木:「もっとコミュニケーションとればよかった」っていうのはすごく言ってた。


細野:全然気にしてなかった。OKだったよ。


鈴木:「OKでしたよ」って言ってあげればよかったのに(笑)


細野:言わないだろ、それは(笑)。昔はそんなことは言わなかったよ。


鈴木:プレイバック聞いて「うん」とか言ったりはしてたでしょ? それも言わないの?


細野:自分の神経は、もっぱらミスとか、自分のリズムが悪いとかが気になってて、そこを直していくので精一杯だったからね。


鈴木:たぶん「まあ、いいか」って細野さんは言っちゃってたんですよ。


細野:そうかなあ。


鈴木:吉野さんも「細野さんのリアクションは鈍い」って言ってました。「それ、照れてるんじゃないですか?」って言っときましたけど。僕が言うのもおかしいんですけどね(笑)


細野:まあ、「できちゃったものは仕方ない」というのが、僕のやり方なんだよ。


鈴木:それって不思議なことなんですよ。


細野:そうかな?


鈴木:「できちゃったものは仕方ない」って、ミュージシャンとしてはかなり不思議な人ですよ(笑)


細野:10年くらい経つと、いいか悪いかわかってくる。それまではあんまりわかんないよ。


鈴木:10年経つと、だいたい良くなってないですか?


細野:まあ、ほとんどよくなってる。でもね、自分でやったミックスがダメだね。気に入らない。


鈴木:今でも?


細野:「あのときこうすればよかった」とか、自分の作業の手順がわかってるからさ。まあ、ミックスってそういうものだからね。どこかでやめなきゃいけない。


鈴木:吉野(金次)さんに細野さんが「ミキサーはアーティストだ」って言ったの、覚えてますか?


細野:吉野さんを見るとそう思うんだよね。僕なんかより、よっぽどアーティストだよ。


鈴木:え? それはどういうこと?


細野:吉野さんはピアノを弾くでしょ?


鈴木:アレンジもしますよね。


細野:クラシックが好きだし、聴きながら指で指揮が始まっちゃう。すごい陶酔して指揮してる姿を見てて「あ、この人はアーティストだな」って思うようになったね。


鈴木:吉野さんは細野さんに「ミキサーはアーティストだ」って言われたのはすごく大きなことだったみたいで、なかなかそんなことを言う人は70年代にはいないですよ。


細野:人間だからそれぞれ特徴があるわけでね、吉野さんを見るとそう思うし、田中さんを見ると、職人と思う。お弟子さんがいっぱいいそうなね。人それぞれかなと思うし。吉沢さんは、なんだろうな、ちょっと歴史的なエンジニアというか。


鈴木:吉沢さんはアメリカのキャピトル・レコードとかでスーツ着て働いてる人みたいでかっこいいなと思いました。音もシャープでドライでアメリカっぽいなと思いましたし。


細野:そう。初めてALFAのスタジオに行ったときに、ウェストレイクのでっかいスピーカーですっごい音を出してて、それを出してたのが吉沢さんだった。壁に埋め込まれたスピーカーで重低音がよく出る。それを初めて聴いたんだ。それまで使ってたのは“銀箱”って呼ばれてたアルテックのスピーカーだった。それは低域があまり出ない。


鈴木:解像度も低くて、音がもやもやしてる。今となってはあれもいいんですけどね。


細野:当時は「地味だな」と思ってた。あの音の悪さが実はミソなんだけどね(笑)。70年代にクラウン・レコードでやってて、最初は銀箱だったけど、田中さんがスピーカーをJBLにした。そしたら急に音が派手になった。エコーがよく効くんだ(笑)


鈴木:それで、田中さんが「やまびこおじさん」って細野さんに呼ばれることになっちゃった。


細野:こっちは愛情込めてそう呼んでたんだけど、やっぱり傷ついてたんだね。


鈴木:傷ついてたというか、気にしてたんですよ(笑)


細野:ごめんなさい(笑)。とにかく、ALFAのウェストレイクは、ちょっと次元が違う音だったね。レンジが広すぎて、よくわかんなかった。あのときの体験で、大音量ファンになっちゃったのかな。ちっちゃい音のモニターでミックスしてる人もいるけど、僕はダメなんだよね、でっかくないと。


鈴木:細野さんがでっかい音で作業してるのを僕も何度か見たことありますし、細野さんの車に乗せてもらうと、すごい低域でオハイオ・プレイヤーズを聴くという苦行が待ってるんですけど(笑)


細野:苦行かなあ?


鈴木:「あれでミックスのチェックしてる」って言ってましたよね。


細野:そうそう。フル・ヴォリュームで車で音が割れなければ、いいミックスだなと思う。でも、車が変わって、音が前のと違ってダメなんだよね。オーディオの種類が違って不満なんだよ。すごい大事なことなんだよ、あの音が。でも車を停めたまんま大音量でチェックしてると通報される、夜中だから。


鈴木:前、一回怒られたでしょ?


細野:「Pistol Packin' Mama」って曲のミックスをコンビニの前でチェックしてた時ね。


鈴木:コンビニの前で、って、それ不良じゃないですか(笑)


細野:大音量でやってたら警官が来てね。


鈴木:それ、ツッパリですよ!(笑)


細野:車が変わっちゃったんで、今後それができるかどうか、だけど。


鈴木:あー(笑)


細野:ベースとトレブルとか、ブーストとかの周波数が違うんだ。今使ってるのはそれが全然よくない。ブーストはクラリオンのがいいんだよ。


鈴木:意外! そんなこと言ってる人いないですよ(笑)


 前述したように、この『録音術』の根幹は、音楽家、細野晴臣の歩みを他者の目を通じて描いてゆくという部分にある(当初は1989年の『Omni Sight Seeing』一枚に絞って解析してゆくというアイデアもあったという)。だが、データ的な発見や波形の解析、楽理的な分析に偏らず、人間同士のやりとりから音楽が生まれるという視点、人間好きな好奇心を一貫させたことに成功が生まれたと思う。もちろん、鈴木はその好奇心が結果的に次の時代を生きる若い音楽家たちに対する決定的な刺激となることは最初から意識していただろう。だが、そんな啓蒙だけじゃ、こんなにいいグルーヴは生まれるはずないのだ。


 僕にはこの本は、細野に頼まれてもいない手紙を届ける役目を鈴木が務めた配達の記録のようにも思えた。会いたい人を訪ね、出会いから話を始めて、深いところに転がってゆくのを待つ。おおげさに言えばそれは“巡礼”だが、“お元気ですか? 細野さんは今もおもしろいです”というあいさつから始まる世間話か井戸端会議のようなものでもある。鈴木が雄弁であることは、細野のシャイな誠実さを逆に浮き彫りにもした。期せずして行間から立ち上るそのコントラストも、本書を絶妙で不思議でためになるものにしているのだ。


・「細野さんのことをしゃべってるときのほうが僕らしい」(鈴木)


鈴木:10年前、20年前、初めて会った30年前と細野さんを知ってますけど、今が一番すごいと思ってるんですよ。


細野:本当?


鈴木:今のほうが細野さんがやってきたことがよくわかるし、なかなか凄味を感じるし。


細野:まあ、人間ね、長く生きてると多少凄味が出てくるのかね。


鈴木:でも、細野さんは逆にどんどんやわらかくもなっているというか。最初に会ったときが一番怖かった。僕らも緊張してたし、細野さんも忙しかったし、いらいらしてた。


細野:昔は結構いらいらしてたかも。


鈴木:10年くらい前から急にいい人になった気がしますね。ずいぶん和やかな感じになって、いいことも言うし、接しやすくなった。


細野:そうかもね。それはよく人に言われてた。「30代の頃はこわかったけど、まるくなった」って。


鈴木:還暦をお迎えになった後、そういう変化はあったかなという印象はあります。


細野:『分福茶釜』からこの対談は始まってるんだけど、あの頃に、もう自分がおじいちゃんみたいな気持ちでやってたから(笑)


鈴木:おじいちゃん要素は強い人でしたけど、本物になってきたというか。


細野:ザ・バンドを見てると、彼らってデビューの頃からおじいちゃんじゃない。特にレヴォン・ヘルム。


鈴木:小津安二郎映画の笠智衆さん。『東京物語』の時って、ものすごく若かったんですよね。でもおじいさん要素がすごい強い。


細野:笠さんもそうだし、レヴォン・ヘルムもそう。亡くなっちゃったけど、晩年には本当のおじいちゃんになったわけだから。僕もその要素があって、40代の頃はおじいちゃんの真似してたわけだよ。髪を長くして束ねてネイティヴ・アメリカンの長老みたいにして。そういう人たちになりたかったんだよね。やっと近づいてきた。


鈴木:林家木久扇さんの話していい? 大ファンなんです。先日、うちの近所で高座に出られて。そのときは、落語を一時間やられて。


細野:一時間!


鈴木:でも、落語しないんですよ。


細野:ああ、それが一番いいや。


鈴木:それでね、彦六師匠(林家彦六、1895~1982)のお話をする。


細野:これが好きでね。


鈴木:木久扇さんはお弟子さんだったんですよね。それでね、落語をしないで彦六師匠の話だけを一時間したんです。


細野:すごく聞きたい。


鈴木:いかに彦六さんがおもしろいかをずっと話されて。たとえば師匠の家に行くと、バスケット・ボールの試合を師匠はずっと見ている。それで「落語のネタを探してるのかな?」と思って、黙って見てるうしろのほうに行くと、「なんで籠に穴が空いているのに~、ボ~ルを入れてるのかねえ~? 誰か言ったらどうだい?」って言うんですって(笑)。で、木久扇さんはそれを聞いて「なんて素晴らしいんだ」って思う。そういう話を一時間して、最後に座布団を投げるんですよ。落語をしなかったということで。


細野:へえー!


鈴木:かっこいいなと思って。ロックンロールですよ。僕は2回見たんですけど、2回とも座布団は投げられてましたね。それでお辞儀を深くする。僕はそれを見て、「これだ!」と思ったんです。細野さんが彦六師匠、僕が木久扇さん。


細野:なんとなくわかる。


鈴木:「細野さんはこうだったよ」とか「こういうふうに煙草吸うんだよ」とか、そういう話はするんですよ。そしたらみんなニコニコするね。


細野:あ、そう?


鈴木:音楽の取材を結構受けるじゃないですか。でも結局、必ず細野さんのことをしゃべってる。「自分のプロモーションなのによくない」って言う人もいるんだけど(笑)。だけど、そういう状態を話すことで、自分のこともわかってもらえてるんじゃないかなと最近は思うようになってきた。自分のことをしゃべってるときより細野さんのことをしゃべってるときのほうが僕らしい、というか。


細野:へえ、なるほど。


鈴木:彦六師匠のことを話されてる木久扇さんと一緒。


細野:それを聞くと「あ、この高座見たい」と思うね。そういうことなのかな。


鈴木:それで今度はみんなが細野さんのことに興味を持つ、みたいな。


細野:僕はそこまで天然におもしろくはないけど。


鈴木:いや、細野さん気付いてないんですよ(笑)。それは僕が最初に会った頃から変わんないなと思うんです。


 最後に、本書の「はじめに 音楽を録音するということ」という序文の中で、鈴木は“ぼくにとっての細野さんの「録音術」とは、ある意味「忍術」のようなもの”と書いている。僕もそう感じていたが、そのタイトルを細野自身はどう思っているのか聞いてみた。


細野:『録音術』は忍術だって言ってたね。僕は忍術好きだからね。子供のころはスポーツはきらいだけど忍術は好きだった。高いところから飛び降りたりね(笑)。ジャンプはクラスで一番だったから。


鈴木:お、垂直跳び?


細野:立ち幅跳びもすごいんだよ。自分で感心しちゃうの。


鈴木:それは見たかったなー。


細野:最近、テレビで『真田丸』ってやってるでしょ? 僕はテレビは見ないけど、真田十勇士っていうのは昔の僕のアイドルだったわけ。猿飛佐助とか。そういう忍者はあのドラマには出てこないんでしょ?


鈴木:忍者みたいな人はちらちら出てきますけどね。


細野:『真田十勇士物語』だったら見るよ。霧隠才蔵、うどんこぷっぷのすけ……。


鈴木:それ、杉浦茂じゃないですか(笑)。


 やっぱり二人のやりとりはおもしろい。もっと聞いていたいけど、この続きはまたきっとそのうち。


(取材・文=松永良平)