世界には時代の流れとともに使われなくなったまま残っている建物が無数に存在します。
カメラマンの
Brett Patmanさんは、オーストラリアに存在する廃棄の写真を撮影したフォトシリーズ「
Lost Collective」を発表しています。
・まるで映画のワンシーン
病院、発電所、ガス製造所など、かつては人間から必要とされていた建物も、その役目を終えた瞬間から、雨風にさらされ、やがて緑が生い茂っていきます。
床は剥がれ、ガラスは割れ、シンクには雨水が。
その姿は、まるで自ら自然に還ろうとしているかのよう。
当時使っていたものの残骸だけが、そこに人がいたことを語る唯一の証です。
まるで映画のワンシーンのような雰囲気に思わず胸が躍りますが、余計な演出も何もない現実だと思うと、なんだか途方もなく切ない気持ちになりますね。
たった1枚の写真でも、そこに写るすべてのものに物語があり、見るほどにイマジネーションが膨らんでいきます。
Patmanさんはこれからも旅しながら、世界中で息をひそめる“時代の忘れ物”を撮り続けていくのだそう。
もしかすると、廃棄もこうして撮影され、注目されることで、新たな時を刻み始めることができるのかもしれませんね。
Lost Collective
http://www.lostcollective.com/
・写真(まとめ)