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福田和子を演じる寺島しのぶ「1日に最低2回は顔を変えた」

2016年03月17日 18:50  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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“7つの顔を持つ女”“希代の悪女”などと悪名高き犯罪者、福田和子を寺島しのぶが演じることで話題の実録ドラマスペシャル 女の犯罪ミステリー『福田和子 整形逃亡15年』(テレビ朝日系・3月17日・木曜夜7時~)。 同僚ホステスを殺害後15年間、逃亡。時効寸前に逮捕された福田。寺島は出演依頼に迷いを感じたそう。 「実在した犯罪者で、痛みを負った被害者遺族の方もいらっしゃる中で、はたして責任を持って演じ切ることができるのか、最初はなかなか踏ん切りがつきませんでした」 誠実に作品に向き合うスタッフと信頼関係が築けたことで出演を決めると、事件関連の書籍などに目を通すことから始めた。 「実録である以上、しっかり事実を把握して臨む必要があると思ったからです。ドラマには脚色も加わりますが、その裏づけとなる部分を知ったうえで演じたかったんです」 高級クラブのホステス、福田和子(寺島)は、夫(滝藤賢一)と4人の子どもに恵まれ、幸せな家庭生活を送っていた。その一方で、愛人(眞島秀和)との密会費用のため、闇金融から多額の借金を抱えていた。 首が回らなくなり、同僚の高山芳江(木村佳乃)に金を無心するが拒否され、絞殺。遺体の搬出と遺棄は夫に手伝わせ、芳江の預金は親類に頼んで全額を引き出し、調度品は愛人との愛の巣に運び込んだ。 芳江殺害から5日後。警察から自宅に電話がかかってくると、和子は夫に嘘をついて姿を消し、長きにわたる逃亡生活が始まった。 愛するわが子を捨てた逃避行は、整形で2度も顔を変え、男を騙しながら20もの偽名を使い分けた。 「子どもを振り切って家を出ていく場面では、私にも子どもがいますので、演じていて(心が)痛かったですし、1日に最低でも2回は顔(メーク)を変えるなど、自分が一体、何者かがわからなくなるようなめまぐるしさを味わいました」 逃亡中にも連絡を取り続けた長男(中村倫也)との再会や、婚約者を紹介されるシーンは、印象に残っているという。 「グッときました。和子は息子に対しては無償の愛を捧げているので、この子だけには幸せになってほしいという親心や自責の念もあったでしょう。和子の複雑な心が表れたシーンになったと思います」 その一方で、和子の生きることへの貪欲さ、生命力に驚くべき一面も。 「斜に構えるのではなく、真正面からぶつかっていく姿勢は、私も同じなので理解できます。ただ彼女の場合は、そこに嘘が加わっているんです。撮影の中でわかったことは、和子が善人に助けられた犯罪者だということ。 また、孤独に耐えられず、人との関わりを求めずにいられなかった人ではないかということです」