トップへ

妻夫木聡&満島ひかりが兄妹役、惨殺事件と人間の愚行描く『愚行録』

2016年03月17日 10:11  CINRA.NET

CINRA.NET

左から妻夫木聡、『愚行録』原作小説表紙(写真:L.O.S.16、装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ)、満島ひかり ©2016「愚行録」製作委員会
映画『愚行録』が2017年に全国で公開される。

同作は、『後悔と真実の色』で『第23回山本周五郎賞』を受賞した貫井徳郎の同名ミステリー小説をもとにした作品。エリートサラリーマンとその妻子が殺害された未解決の一家惨殺事件を取材する週刊誌記者・田中を主人公に、事件関係者へのインタビューを通して、被害者の理想的な夫婦像とはかけ離れた実像が浮かび上がっていく様が描かれる。

事件の真相に迫る記者の田中を演じるのは妻夫木聡。田中の妹・光子役に、ドラマ『若者たち2014』でも妻夫木の妹役を演じた満島ひかりがキャスティングされている。メガホンを取るのは、ロマン・ポランスキーを輩出したポーランドのウッチ映画大学で演出を学んだ石川慶。石川は同作で長編映画監督デビューを果たす。脚本は『マイ・バック・ページ』『松ヶ根乱射事件』『ピース オブ ケイク』などの向井康介が手掛ける。製作はオフィス北野が担当。

妻夫木は満島との共演について「何度も共演させて頂いていますが、その都度役に全力投球してきてくれる満島ひかりという女優が僕は大好きです。全力で受け止め全力で返していければいいなと考えています」とコメント。一方の満島は同作への出演について「好んでやりたいと思う役柄ではありませんが、育った環境の中で生まれてしまった独特の愛について、存在についてを、いままでと違った風に問いかけられる予感がして、参加しようと決めました」と明かしている。

■妻夫木聡のコメント
人間は愚かな生き物なのだ、ということにこんなにも真正面からぶつかった作品はなかなかありません。僕たちはこの泥沼に浸かることに決めました。追い込まれて、追い込まれて出た最後の命の一滴を最後まで見つめて頂ければ幸いです。何度も共演させて頂いていますが、その都度役に全力投球してきてくれる満島ひかりという女優が僕は大好きです。全力で受け止め全力で返していければいいなと考えています。愚かさを追求すること自体、愚かな行為だと思います。ですが、この映画に期待せずにはいられないこの想いこそ、人の業というべきものか。足を踏み入れてはいけないとわかっていつつも僕はこの作品と一緒に前進したいと思っています。

■満島ひかりのコメント
好んでやりたいと思う役柄ではありませんが、育った環境の中で生まれてしまった独特の愛について、存在についてを、いままでと違った風に問いかけられる予感がして、参加しようと決めました。切ないきもちが押し寄せてきて、涙してしまうこともありますが、同情なんかせずに、リラックスしてやりたいです。ほんとうの兄のように慕っている妻夫木さんがいるので、とても安心です。新しい挑戦を一緒にやれる幸せも感じます。石川監督には、ココロのままに映画を作って欲しいです。監督が嬉しくなるような芝居ができたらなぁと、誠実な姿を見ていて思っています。

■石川慶監督のコメント
複雑に入り組んだプロット、一筋縄ではいかない登場人物たち、そして全体を貫く重厚なテーマ。
「こういう映画が見たい」と常々思っていたものが全部詰まっている作品です。
妻夫木さん、満島さんらの繊細な芝居と、この作品のために集まってくれた最高のスタッフたちとの間に、どんな化学反応が起こるのか、規格外の映画になる予感がしています。

■貫井徳郎のコメント
『愚行録』を映画に、というお話をいただいたのは、かなり意外でした。
内容的にも構成的にも、映像化に向いていない作品だと認識していたからです。
ところがプロデューサーと監督の熱意により、映画化が実現しました。
それだけでも驚きなのに、妻夫木聡さん、満島ひかりさんという当代きっての人気と実力を兼ね備えた役者さんに演じていただけることになり、望外の幸せを味わっています。
願わくは、この映画をご覧になった皆様の胸に、抜けない棘が深く刺さっておりますことを。