チームオーナーのジーン・ハースは、チームのデビューシーズンを通じて「慎重すぎる」フェラーリへの依存を減らし、自分たちの責任でできることを増やしていきたいと宣言した。
今週末、ハースはいよいよ初めてのグランプリレースを迎える。だが、彼らのVF-16は2回目のプレシーズンテストでターボチャージャーなどに関するいくつかの信頼性のトラブルに見舞われ、やや遅れを取ったようにも見えた。
このF1参戦を実現するために、ハースはフェラーリと技術提携を結んでパワーユニットだけでなく数多くのパーツの供給も受けてきた。だが、彼はチームがフェラーリに依存する状態に落ち着いてしまってはならないとも考えている。
「完璧とは言えない部分があるとすれば、残念なことに彼ら(フェラーリ)がエンジンに関してきわめて慎重で、なかなかコースに出させてくれないことだ。たとえば、テレメトリーのデータに少しでも異常があると、彼らがその理由を突き止めるまでは走行を再開できない」と、ハースは語っている。
「最初のテストでは、電気配線の小さな傷がエンジンのミスファイアの原因になり、それを修理する必要に迫られたのだが、問題の配線を見つけるのに時間がかかってしまった」
「言うまでもなく、このチームはまだフェラーリに頼る部分が大きい。ターボチャージャーの件は不運なトラブルだったが、やはり彼らはとても慎重だった。何か問題が起きると、彼らはその理由を調べることを優先しようとする。ターボに関して言えば、まるで少しでも異常があればすぐに爆発でもするかのような扱い方で、ターボの破損につながる可能性のあるパラメーターが絶対に制限値を超えないように注意を払っていた」
だが、ハースの発言の意図はフェラーリを名指しで批判することではなく、トラブルを解決する責任についても、より多くの部分をチームに任せてほしいということにあるようだ。
「エンジンについてはフェラーリがコントロールしている。ただ、どのように対策を進めるかといったことは、チームが決めるべきだと思う。これは私たちのクルマだ。フェラーリは技術的支援の提供において大きな責任を負っている。しかし、その責任の一部を私たちが受け持って、(多少は問題があっても)クルマの確認をするためにコースに出すという判断をしてもいいのではなかろうか」
「トラブルで走れなかったときに、『それはフェラーリの責任だから』と言ってのんびり座っているわけにはいかない。チームのコース上でのパフォーマンスについては、私たちが責任を負わなければならないのだから」
「テクニカルな問題が起きた場合に、それをどう解決していくか、(フェラーリとの間で)良い方法を見出していきたいと思っている。これは他のチームであれば経験しない種類の課題だ。つまずくことがあっても、というか実際につまずくことになるはずだが、そのたびに立ち上がってもう一度トライするしかない」