かつてジョーダンやスチュワートでデザイナーを務め、現在英Autosportのテクニカルエキスパートを務めるゲイリー・アンダーソンが、今年のマクラーレン・ホンダは2015年に比べれば進歩しているようだが、名門チームにふさわしい位置に戻れるほどの向上は見られないとの考えを示した。
8日間のプレシーズンテストを振り返ってアンダーソンはマクラーレンの現状に厳しい評価を下した。
「今年進歩しなければならないマクラーレンだが、テストを見る限りではその進歩はごくわずかなものになりそうだ」とアンダーソン。
「テストを見ると、ハンドリングに関しては一歩後退したようだ。ホンダのパッケージにも依然として懸念がある。ERSシステムは多少改善したものの、スピードトラップではさほど強さは見えない」
「ホンダワークスエンジンを使用していたジョーダン時代の経験から言うと、同社は弱点を受け入れて解決に取り組むことが必ずしも得意ではない。しかしマクラーレン・ホンダのパートナーシップがその大きなポテンシャルにふさわしい場所にたどり着くには、絶対にそれをしなければならないのだ」
「今年もマクラーレンにとって厳しいシーズンになりそうだ。去年の入賞回数は6回。このチームの規模を考えれば悲惨な結果だ。今年はそれよりは多く入賞できるはずだが、果たして十分なレベルに達するかどうか。テストから判断すると、シーズン後半に大きな改善がなされることに期待するしかなさそうだ。それが実現しなければ、今年もマクラーレンのメンバーにとって失意のシーズンになってしまうだろう」
「チーム上層部は、どういう対策を取っていれば2015年にあのような状況に陥らずに済んだのか、そしてそれをなぜ実行できなかったのかを完全に理解する必要がある。同じことを繰り返しては絶対にいけない」
マクラーレンの苦戦の原因はパワーユニットだけではないとの考えをアンダーソンははっきりと示している。
「マクラーレンがこれほど苦しんでいるのを見るのは辛い。面白がるような気持ちにはなれない。2012年から一勝も挙げていないのだ」
「ホンダの代わりにメルセデスのパワーユニットを載せたらマクラーレンはメルセデスチームとタイトルを争えるか? 争うことはできないと私は考える」