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テストの成績が気になる一方で、中高生の5割が「勉強しようという気持ちがわかない」 年齢が上がるにつれて「得意」が減る傾向も

2016年03月15日 07:41  キャリコネニュース

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ベネッセ教育総合研究所が3月14日、東京大学社会科学研究所と共同で実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」の結果を公表した。調査は2015年7~8月にかけて行われ、小学1年生から高校3年生の子どもを持つ保護者1万6776人と、小学4年生から高校3年生の子ども1万1982人が回答した。

それによると、中高生の8割以上が「テストの成績が気になる」ものの、5割以上が「勉強しようという気持ちがわかない」と感じていることがわかった。

小学校から中学校に上がると勉強意欲が一気に低下

学校生活について聞いたところ、「テストの成績が気になる」と答えたのは、小学生の79.6%、中学生の88.2%、高校生の84.5%。どの学年もテストは気になるようだが、勉強への意欲も見てみると差があらわれていた。

自分自身の意識について聞いたところ、「勉強しようという気持ちがわかない」と答えた小学生は41.2%だったのに対し、中学生では56.2%、高校生では56.9%にのぼっていた。小学生から中学生にかけて15ポイントも上昇したことになる。

また、学校段階が上がるにつれて、子どもたちが「得意」だと感じるものが少なくなっていく傾向があることも明らかになった。たとえば、「物を作ったり絵を描いたりすること」(小:73.0%、中:53.5%、高:47.6%)、「楽器を演奏したり歌を歌ったりすること」(小:69.2%、中:57.9%、高:53.6%)といった分野だ。

学習関連の分野においても、「問題の解き方を何通りも考えること」(小:46.0%、中:34.9%、高:30.1%)、「図や表を見て理解すること」(小:64.6%、中:49.2%、高:47.8%)などを「得意」と感じる子どもが減っていた。

こうした傾向は、「いろいろな人と仲良くする」(小:83.6%、中:73.5%、高:69.4%)などコミュニケーションの分野にも及んでいた。成長にともなって、自分に自信がなくなっていく様子がうかがえる。

高校生の7割が将来について考えているが、「目標が決まっている」のは5割

そして、学校段階が上がるにつれて変化した点では、「その場の空気を読んで行動する」(小:73.1%、中:81.5%、高:84.0%)、「毎日が忙しい」(小:64.5%、中:77.8%、高:80.5%)となった。

また、「この1年の間に経験したこと」という質問で「自分の進路(将来)について深く考える」と答えた割合が最も高いのは70.0%で高校生だった。だが、何をやりたいかまでは定まっていないようで、「将来も目標がはっきりしている」と答えた高校生は52.4%。小学生の53.3%よりも落ちてしまっている。

高校生の子を持つ親も進路は気がかりなようだ。保護者の悩みにも「進路・学校選び」(51.5%)が上がっていた。「携帯電話やスマートフォンの使い方」(52.0%)も高かった。これは中学生までは1日における携帯やスマホの平均使用時間が44分だったのに、高校生の平均が1 時間36分になっているからだろう。

同調査では、「励まし・応援」を受けている子どものほうが、将来の目標や行動力などを持っていることがわかったという。親も子どもの将来が気にかかるが、悩んでいるのは子どもも一緒だ。口出しを受けている子どもは、「自分でできることは自分でする」の比率が低いとの結果も出たため、親は応援に徹し、子どもの成長を見守るのが良さそうだ。

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