最難関大学として知られる東京大学。メディアではその「分かりやすい頭の良さ」からか、たびたびネタにされているが、現役東大生が語った内容がネット上で議論を起こしている。
3月13日放送のバラエティ「さんまの東大方程式」(フジテレビ系)で、現役東大生40人が明石家さんまさんにエピソードを披露するコーナーがあった。その中で、偏差値29から80にまで上げて東大に合格した教養学部1年の男子学生が、受験生時代の経験談を語った。
教師に「行ける大学ない」と言われ「ふざけんな!」と一念発起
この男子学生は高校2年時に偏差値30台で、地方の公立高校で学年ビリだった。そのため、学校の教師から「行ける大学ない」と言われたのだという。
このひと言に「ふざけんな!」と一念発起し、東大を目指すことに。実際に受かったこともあり、「多分人間の脳はいくらでも拡張できる。どんな人でも東大にいける」と思うに至り、「お前はここにしか行けない」などと志望校を指定する教師に疑問を感じているという。
「東大にまで行った人は、中学・高校の教師にはならない。だから中間層の人が、中間層の人を再生産している」
教師としては難関大学ばかりを目指して全落ちするよりも、可能性があるところを受けて合格してもらった方が安心ではある。進学実績にも計上されるし、学校としてもありがたい。ただ、その志望校の設定に教師自身の経験が反映されている可能性もある。
高校生のときに東大を目指さなかったし、行けるとも思ってなかった教師は、生徒にも現在の実力に見合う大学を受けさせるだけで、可能性を信じて上のランクを目指すことを特段推奨しない、ということなのだろう。
番組を観た高校生は「東大生にへんな勇気もらえた」と感謝
東大生が高校教師を「中間層」と見下し、その仕事を「中間層を再生産」と表現するのは若干きつい言い方ではあるが、確かにありそうな話ではある。
この発言は放送直後からネット上で話題になり、「中間層」が一時Yahoo!リアルタイム検索のトレンドにランクイン。反応としては「本当にそう思う」「一つの真理」と賛同する声が多いようだ。
「結局自分の経験した、または想像する範囲内でしか可能性を抱けないって それを自分にも他人にも押し付けてしまうって グサグサ心に刺さる」
中には、「東大生にへんな勇気もらえたありがとうございます」という書き込みもある。学校の教師に否定された経験がある人にとっては、教師の言うことなんか気にするな、というメッセージにもとれたのだろう。
一方で、「私教師目指してるのに中間層が中間層増産するだけ言われた」という声もあり、不快に思った人も少なからずいるようだ。
「中間層じゃないとうまく教えられない」という面もある?
当然ながら私立の進学校や、受験指導も行っている公立の上位校では、事情も変わってくる。生徒の可能性を信じて、支援する教師もいるだろう。また、教師に「中間層」が多いことを認めつつ、
「中間層じゃないとうまく教えられないんだよ・・・ 頭良すぎると他人の躓きに気づけない、理解出来ないってことになるんだよ」
と、その理由を書き込む人も。「うちの高校京大卒おるぞ くっそ教え方下手で滑舌も悪いけど」として、上位校出身者が必ずしも教師に適しているとはいえないという人もいる。
もっとも話の本質からすると、教師自身が東大出身である必要は必ずしもない。自身の経験にとらわれずに生徒の可能性を信じて、どこまでも伸ばそうとする姿勢が大事、ということだろう。
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