12日に鈴鹿サーキットで開幕した『2016 モータースポーツファン感謝デー』にジャン・アレジとその息子ジュリアーノが登場。トークショーを行った後、ジュリアーノがティレル019に乗り込み、F1デビューを果たした。
昨年もこのイベントに登場し、大きな話題を呼んだジュリアーノ。父親と同じくF1ドライバーを目指しており、昨年はフランスF4選手権に挑戦しランキング4位を獲得している。昨年末にはフェラーリの若手育成プログラムであるFDA(フェラーリ・ドライバー・アカデミー)にも加わり、今季はGP3へステップアップする期待の2世ドライバーだ。
昨年のデモランではフォーミュラ・エンジョイ2を駆ったジュリアーノだが、今年は父の愛機だったティレル019をドライブ。これまでジュリアーノはF1マシンをドライブした経験はなく、父のマシンでF1デビューを果たすことに。また父ジャンは、今回のイベントのために用意されたフェラーリF187(ゲルハルト・ベルガー車)に乗りこんでいる。
父のF1マシンをドライブすることに対し、舞台に上がるまで緊張していたというジュリアーノは「このティレルの写真は、僕の部屋にも飾ってあります。みなさんのおかげで、このクルマをドライブすることができて光栄です」と流ちょうな日本語でコメント。一方、かつての愛機を委ねる形となるジャンは「彼(ジュリアーノ)以上に僕が緊張しているんだ。あのクルマはF1の歴史を作ったマシン。そんなマシンをまだ自動車免許もない16歳の息子が運転するんだからね」と息子以上に緊張していることを明かした。
トークショーが終わると、アレジ親子はマシンヘ乗り込み、デモランをスタート。鈴鹿サーキット東コースをわずか3周したのみだが、サーキットには往年のF1サウンドが響き渡り、グランドスタンドで見つめる多くのファンを魅了した。
デモラン終了後、マシンを降りたジャンは息子に駆け寄り、熱い抱擁を交わす場面も。「去年のニュースでは、僕の顔が見切れてばかりだったから」とおどけてみせたが、自身の愛機をドライブする息子の姿に感動したようだった。
そのジュリアーノも「緊張した」と一言。「古いクルマで、しかもF1。結構緊張しました。でも、幸せでしたよ」と初のF1ドライブを振り返った。
なお、アレジ親子によるF1競演は、明日13日の午後3時10分からも実施される予定だ。