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タイで「集団全裸」になった日本人・・・日本の法律で罰せられる可能性はあるか?

2016年03月12日 10:52  弁護士ドットコム

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社員旅行でタイを訪れていた日本人男性約30人が同国の保養地フアヒンのビーチで泥酔し、集団で全裸になった騒動について、社員旅行を行ったIT企業のDYM(東京)が3月10日、ホームページ上で謝罪した。


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DYMは3月3~7日まで海外研修をおこなった。全裸騒動は5日夜に起きた。同社はホームページで「旅行先の解放感でタガが緩み、深く考えることなく、タイ王国の国民の方々の名誉感情を害する行いに至りましたこと、深く反省し、心よりお詫び申し上げます」と謝罪したうえで、再発防止に向けて取り組むとした。



フアヒンはタイ王室にゆかりのあるリゾート地で、全裸になった日本人男性たちは現地の人から注意されたが聞き入れなかったという。タイでは批判の声が噴出しているというが、こうした行為が日本の法律で罰せられる可能性はないのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。



●「タイのビーチ」なら日本の法律では罰せられない


「結論から述べますと、『タイのビーチで全裸』ということであれば、日本の法律で罰せられる可能性はありません」



では、日本のビーチで全裸ということならどうなのか。



「仮に『日本のビーチで全裸』ということであれば、公然わいせつ罪に当たるとして日本の法律で罰せられる可能性があります。公然わいせつ罪は、性モラルに対する国民の感情を保護するために犯罪とされているわけですが、公然とわいせつな行為をした場合に成立する犯罪です。



『公然』というのは、見ず知らずの人や多くの人の目に触れる可能性がある状況をいいます。ビーチでの行為は、誰が通ってもおかしくない場所での行為ですから『公然』であるのは間違いないでしょう。



『わいせつ』というのは自分や周りの者の性欲をかき立てる行為をいいますが、全裸になって陰部を露出する行為は『わいせつ』行為の典型例です。したがって、『日本のビーチ』であれば、処罰される可能性はあります。



しかし、今回、日本人が日本国外で犯罪を行っています。日本人が日本国外で犯罪を行って日本の法律で処罰される場合もありますが、放火・強姦・殺人・強盗・窃盗などの比較的重い犯罪に限られています。日本人が日本国外で公然わいせつ罪を行った場合について、日本の法律は適用されません」



冨本弁護士はこのように話していた。


(弁護士ドットコムニュース)