世界ラリー選手権(WRC)に参戦するフォルクスワーゲンの取締役会は、前首脳陣が認めたWRC参戦プログラムを改めて承認。2019年まで参戦を継続することを決定した。
2013年からWRCに参戦を開始したフォルクスワーゲンは、セバスチャン・オジエとともに42戦中37勝を挙げ、3年連続でシリーズタイトルを獲得している。また、同社は昨年、WRCでの活動を19年シーズン末まで継続することを明らかにしたが、その後に排ガス不正問題が発覚。これによる首脳陣の引責辞任なども相次いだため、参戦計画を白紙撤回するのではとの憶測が広がっていた。
しかし、新たな取締役会は先月末、WRCプログラムを改めて承認。これにより少なくとも今後3シーズンに渡り、活動が継続されることが確定した。フォルクスワーゲンのモータースポーツ部門を統括するヨースト・カピートは「旧首脳陣は(昨年6月頃に)19年までWRCプログラムを継続することを承認した。しかし、トップが入れ替わった11月には16年のプログラムのみ承認され、『その後のことは春頃にもう一度議論したい』と言われたんだ」とコメントしている。
「そして、私たちは再び取締役会で計画を続行する許可を得た。プログラムが承認されるのは2度目だが、今回は新首脳陣による承認を得た形となったんだ」
「以前と何も変わってはいないが、2019年までの将来が確約された形となる」
同社の販売・マーケティング・アフターサービス部門を統括するヨルゲン・ストックマン取締役は、英AUTOSPORT.com姉妹誌のAutocarに対し「WRCこそ我々のスポーツだ。この短期間で素晴らしい結果を収めることができた。また、我々が一丸となると、どういったことが可能になるか証明されたことで、グループ全体のモチベーション向上にも繋がっている」と述べている。
「また、WRCチームはフォルクスワーゲンのファンを増やすことにも貢献している。(チームの)フェイスブックは750万人以上のフォロワーがいて、これは(ブンデスリーガの)バイエルン・ミュンヘンのフォロワー数の2倍以上の数字なんだ」
「熱狂的なファンがいることを、これ以上ないほど心強く感じている。(彼らのためにも)ラリーというスポーツに留まり続ける」
同社の開発・デザイン担当責任者であるDフランク・ウェルシュ取締役は「私たちはシリーズ3連覇にとても満足しているした、すでに17年に投入される新型マシンの開発も進めている」とつけ加えた。
「今回の活動承認によって、開発を推し進めることができる。私たちは少なくとも、あと3年間はラリーに携わっていくんだ」
「来シーズンは新たなライバルも登場するが、今後も圧倒的な強さを発揮できると期待している」
17年型ポロR WRCの開発は順調に進んでいるものとみられているほか、昨年にはマーカス・グロンホルムがテストに参加している。