マノー・レーシングは、昨年5戦にわたってレースで起用したアレクサンダー・ロッシと今季オフィシャルリザーブドライバーとしての契約を結んだことを発表した。
アメリカ出身24歳のロッシは2015年、GP2に参戦しランキング2位を獲得する一方で、マノーからシンガポール、日本、アメリカ、メキシコ、ブラジルの5戦に出場した。しかしロッシは今年のレギュラーシートを獲得することができず、アンドレッティ・オートスポートと契約しインディカーに初参戦することを2月末に発表した。
しかしマノーは9日、ロッシはインディカー参戦の傍ら、同チームのオフィシャルリザーブドライバーを務め、11戦に同行すると発表した。最初にチームに合流するのは5月のロシアGPの予定だ。
マノーのレーシングディレクター、デイブ・ライアンは、ロッシはインディカーに参戦しつつF1の役割を兼任する初のドライバーになるとして、「インディカーシリーズにフルタイム参戦するので、難しい状況ではあるが、我々はうまく対処できる」と述べた。
「我々には、レースに出場する可能性がある(リザーブドライバーという)役割を果たし、なおかつマシン開発に貢献してくれる人物が必要だ」
「アレックスにとってF1は未完の仕事である。去年我々のもとで5戦に出場、素晴らしい仕事をした。彼のことは高く評価しており、彼は我々のラインアップの中で重要な位置を占める」
「非常に難しいスケジュールに対応しなければならず、極めて自己管理のしっかりしたドライバーでなければこの責任は全うできないだろう。彼はそれができる人間だと我々は確信している」
ロッシは、マノーのレースシートを獲得できなかったことに落胆したものの、F1とインディカーのふたつに関わることは貴重な経験になると考えている。
「僕はキャリアのほとんどをF1のために費やしてきた。何もせずに何かが起こるのを待っているような人間ではない。この役割によって鋭さを保ち準備を整えたい」とロッシ。
「今年マノー・レーシングのレースシートを獲得できなかったことにがっかりしていた。僕がシートを得るために必死に努力していたのは誰もが知っていることだ。でもオフィシャルリザーブドライバーに就任し、モータースポーツ最高峰においてふたつのプログラムに取り組むという特別な機会に恵まれた。(アンドレッティ・オートスポートでのインディカーの)経験がF1チームの一員としての非常に重要な役割に役立つはずだ」
「今年のスケジュールはハードだが、F1をフルタイムで戦うのと変わりはない。11グランプリに出席し、そのうちインディカーのシーズン中に行われるグランプリは5戦のみだ。F1カレンダーにおける過酷な移動には慣れている」
「よく知ったこのチームに戻ってくることができて嬉しい。僕らは共にこのスポーツを愛しており、このスポーツへの尊敬と情熱を抱いているのだ」
マノーは今年、レースドライバーとしてふたりのルーキー、パスカル・ウェーレインとリオ・ハリアントを起用している。