フォルクスワーゲン・モータースポーツは8日、世界中のTCRシリーズで使用することができるゴルフGTI TCRを、2016年に向け20台リリースすると発表した。
TCRは、WTCCで使用されているTC1、以前のWTCC規定だったTC2に次ぐカテゴリーとして、当初『TC3』として構想されたカテゴリー。GTカーレースのGT3レギュレーションを参考とし、独自のバランス・オブ・パフォーマンス(性能調整)を設定するなど特徴がある。
2015年はその初年度だったが、シーズン途中からデビューしたのがフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR。リキモリ・チーム・エングストラーが先行で走らせたが、非常に高いポテンシャルをみせつけていた。
フォルクスワーゲン・モータースポーツは、2016年のTCR向けにカスタマー用モデルとして、20台を生産しリリースする。このゴルフGTI TCRで、世界を転戦するインターナショナルシリーズ、さらに世界各国でスタートするナショナルシリーズに参戦することができる。
ゴルフGTI TCRは、18インチレース用ホイール、市販車から40cm広げられたオーバーフェンダー、巨大なリヤウイングにより高い操縦性を確保。昨年の参戦から、フロントスプリッターとリヤウイングは改良を受けている。また、ゴルフRと同等の直4直噴2リッターターボは330馬力を発生させ、パドルシフト装備のシーケンシャルギヤボックスと繋がる。
また、このゴルフGTI TCRの開発には、セアトスポーツとの協力があったという。TCR用として多くの車両が活用されているセアト・レオン・カップレーサーから多くのフィードバックを得ている。また、フォルクスワーゲン・モータースポーツは、ゴルフVIIで採用されているMQBプラットフォームも、レースカーへの転用に対し大いに相乗効果があるとしている。