3月5日~6日に鈴鹿サーキットで開催された『フェラーリ・レーシング・デイズ2016』に懐かしいF1マシンが2台登場。鈴鹿サーキットを駆け抜けた。
フェラーリでは、現役を終えたF1マシンを個人オーナーに販売する専門部署が本拠地マラネロに設けられており、今回のようなイベント時に、F1マシンでサーキットを走行するオーナーをサポートする“F1クリエンティ”というプログラムも存在する。今回もマラネロからクリエンティのスタッフが駆けつけ、個人オーナーが所有しているフェラーリF1を全開走行が可能な状態にするべく、メンテナンスを行っている。
当初は合計4台のF1マシンが走行する予定だったが、サーキット入りしたのは01年のF2001、03年のF2003-GA、10年のF10の3台のみ。さらに元F1ドライバーのマルク・ジェネがドライブする予定だったF10は不具合により走行を断念。2台のみの走行となってしまったが、オーナードライバー自らマシンに乗り込みコースインしていった。
これまで鈴鹿ではF1日本GPをはじめ、さまざまなイベントでF1マシンによるデモランが行われているが、その際は“デモンストレーション”ということもあり、周回数も3周程度と少なく、アクセルを全開にして走行することも多くなかった。しかし、今回は20分のセッションが1日に2回設けられ、2日間合計で80分と、かなりまとまった走行時間となったことに加え、前述した通り、マラネロの専門スタッフが日頃から最高の状態で走行できるように細かくメンテナンスっを行っているため、レーシングスピードでの走行が実現。メインストレートをアクセル全開で駆け抜けたほか、各コーナーの立ち上がり時もリミッター直前の高回転域まで使っていたのが印象的だった。
週末は、天気に恵まれたこともあり、全国から数多くのフェラーリ・オーナーだけでなく、ファンの方も多数来場。久しぶりに鈴鹿に響き渡る甲高いフェラーリV10サウンドや各コーナーを攻め込んでいく真紅のマシンに酔いしれ、当時の日本GPを思い出すかのように、スタンドで走行を眺めるファンの姿もあった。
そのほか、フェラーリ・レーシング・デイズ2016では日本初となった“フェラーリFXX K”による走行や、フェラーリ・チャレンジ・アジア・パシフィック・シリーズの16年シーズン開幕戦なども行われ、パドックにはオーナー所有のフェラーリも合わせると100台以上の跳ね馬が集結。オーナー参加者と来場者を合わせ、2日間合わせて1万5000人が参加する、まさにフェラーリ一色のイベントとなった。
(Tomohiro Yoshita)