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綾瀬はるかが原爆で命落とした学生の言葉を朗読、是枝裕和監督『いしぶみ』

2016年03月08日 10:21  CINRA.NET

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『いしぶみ』 ©広島テレビ
是枝裕和監督によるドキュメンタリー『いしぶみ』が、7月下旬から東京・ポレポレ東中野、大阪・第七藝術劇場、広島・八丁座ほか全国で公開される。

同作は、戦後70周年特別番組として広島テレビで昨年に放送された『いしぶみ~忘れない。あなたたちのことを~』をもとに、劇場公開版として再編集した作品。太平洋戦争末期に、建物の解体作業中に原子力爆弾によって命を落とした旧制広島二中の生徒321人の最後の言葉を、遺族が記録した手記を通して読み語る朗読劇だ。

作中では綾瀬はるかが語り部を務め、彼らが被爆して重傷を負い、やがて死に至るまでの行動と言葉を読み上げる。また池上彰による遺族や関係者へのインタビューも映し出される。綾瀬が朗読を行なうステージの美術を担当したのは、劇団☆新感線や野田秀樹、三谷幸喜の舞台美術を手掛ける堀尾幸男。

なお『いしぶみ~忘れない。あなたたちのことを~』は、1969年に広島テレビで放送された『碑』のリメイク。『碑』では杉村春子が語り部を務めた。

■綾瀬はるかのコメント
原爆の惨禍によって、突然に短い命を終えていった子供たちの最期の一日を綴ったこの手記は戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えていると思います。
この夏「いしぶみ」をご覧頂いて、一人でも多く平和への強い思いが芽吹くきっかけになったならと願っています。

■是枝裕和監督のコメント
50年近く前に放送されたオリジナルの『碑』を観た時、この番組に関わったすべてのスタッフ、そして朗読の杉村春子さんに心から畏敬の念を抱きました。そこには、伝えることについての大胆で真摯な考察と、視聴者の想像力への信頼が溢れていました。今のテレビが失いつつあるこのふたつと、自分が正面から向き合ってみたい。そんな思いからこの『いしぶみ』はスタートしています。