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マクラーレン・ホンダに「新たな頭痛の種」。現状に厳しい評価

2016年03月07日 08:41  AUTOSPORT web

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2016年第2回バルセロナF1合同テスト4日目 ジェンソン・バトン(マクラーレン)
8日間のF1プレシーズンテストを終えた段階で、マクラーレン・ホンダは今年も厳しい状況であるとの見方がなされている。

 2016年のマクラーレン・ホンダMP4-31は昨年型より高い信頼性を示しており、特に2回目のテストでは11チーム中5番手に相当する周回数を走り切った。それでもマクラーレンはいい状況でテスト期間を終了したとは言えないと、英Autosportが評している。

 レーシングディレクターのエリック・ブーリエは、新パーツの製造が間に合わず、テスト中に実戦仕様のマシンを走らせることができなかったとして、2016年のフルスペックは開幕戦オーストラリアGPで初めて導入すると認めている。

「今年もマクラーレンは難しいスタートを切った。ホンダがパワーを向上させ、エネルギー回生システムを改善してきたのは間違いない。だがルノーのパフォーマンスレベルに近づく程度に差を縮めたに過ぎない」と英AutosportのF1担当者ベン・アンダーソンは分析している。

「その上、マクラーレンはテスト終盤、MP4-31シャシーを適切に機能させることに苦労していた。チームによると、2016年用の空力パーツが間に合わなかったためだということだ」

「2016年の空力パッケージの完全バージョンはメルボルンに導入される予定だ。それによって、2回目のテストの終盤3日間に悩まされた慢性的なオーバーステアを解決できることをマクラーレンは期待しているはずだ。(第2回テストの)水曜に導入された新パーツはそれ自体うまく機能せず、そのためマクラーレンはテストが進むにつれて遅くなっていった」


 ジェンソン・バトンは第2回テストの2日目に乗った際、マシンのハンドリングにあまりいい感触は持っておらず、マクラーレンがMP4-31の扱いづらさを解決することができなかったため、その印象は最終日まであまり変わらなかったという。

「ホンダはエンジンをリデザインしERSを改善したものの、パワーの面でまだ劣っているのは確かだ。その上、マクラーレンの新車が新たな頭痛の種をもたらしている」とアンダーソン。
「第2回テストに持ち込まれたパーツはうまく機能せず、リヤエンドが不安定になった」
「マクラーレンは、オーストラリアでセットアップをまとめるため、フリープラクティス中に膨大な作業に取り組む必要があるだろう」

 アンダーソンは「ザウバー、ルノー、マクラーレンは同じグループ」であり「今のところザウバーの方がルノーとマクラーレンより少しよさそう」とマクラーレンの位置を予想している。

 Sky Sportsは「マクラーレンは中団の仲間入りをしたが、今のところそこどまり」と述べ、BBCは「マクラーレンはルノーやハースと一緒に中団後方に位置することになるだろう」「マクラーレンは今もトップから2秒差」と分析している。