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結論が出ないF1パワーユニットの新規定、最終期限は4/30

2016年03月06日 13:01  AUTOSPORT web

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【2016 F1合同テスト】カタルニア・サーキット セバスチャン・ベッテル(フェラーリSF16-H)
世界モータースポーツ評議会(WMSC)が、2017年のF1スポーティングレギュレーションとテクニカルレギュレーションの最終決定期日の延長に同意した。

 この期限延長は、2月23日にジュネーブで開かれたストラテジーグループとF1委員会の会合で提案されたもので、WMSCは2月29日と定められている翌年の規定変更の最終期限を4月30日とすることを正式に認めた。この冬の間、パワーユニットと2017年からのボディワークについて、長期間にわたり話し合いが続けられたにもかかわらず、いまだ結論に至っていないための措置だ。

 パワーユニットに関しては、FIA会長ジャン・トッドとバーニー・エクレストンが「クライアントエンジン」案を出して圧力をかけたこともあり、メルセデス、フェラーリ、ルノー、ホンダの4つのマニュファクチャラーがすでに1月半ばの時点で基本的に合意している。合意の主な内容は、2018年からカスタマー向けパワーユニットに1200万ユーロのコストキャップ(上限価格)を設け、かつカスタマーチームへの供給を保証して、2020年までの3年間は規定を変更しないというものだった。

 だが、英国オートスポーツの取材によると、最終的な合意ができずに議論が続いているのは、主としてエクレストンが全チームのパワーユニットの出力を同等にすることに固執しているからだという。また、2018年までの暫定的な措置として供給コストを年間100万ユーロずつ下げるというオファーについても、カスタマーチームにとって十分ではないという理由から、値下げ幅の拡大が求められているようだ。

 一方、先週採択された2017年のボディワークに関する提案は、そのままWMSCに承認された。すでにFIAはステートメントという形で、この計画の具体的な数字を含めた概要を公表しており、これにより2017年のF1マシンは1周あたり4~5秒ほど速くなるものと予想されている。このうち3秒はピレリの新しいタイヤによるタイムアップで、残りがボディワークの変更によるものだという。

 WMSCは次のようなステートメントを発表した。「世界モータースポーツ評議会は、2017年スポーティングレギュレーションおよびテクニカルレギュレーションの完成期日を2016年4月30日まで延長するというF1委員会の提案に同意した」
「これにより、特に供給コスト、供給の義務、性能差の縮小、ノイズのさらなる改善という4つの主な領域に関するパワーユニットのレギュレーションについて、問題を解決する最良の機会がすべての利害関係者に与えられるだろう」

「世界モータースポーツ評議会は、F1委員会から提案された2017年のボディワーク規定を承認した。初期的なシミュレーションが示すところによれば、大部分のサーキットにおいてラップタイムが約4~5秒向上する」

 また、WMSCは、先日英国オートスポーツが報じたように、新しいノックアウト方式の予選フォーマットを正式に承認した。評議会のステートメントには、今月中旬のオーストラリアでのシーズン開幕戦から「新システムが導入されるべきである」と記されている。