2016年03月06日 10:22 弁護士ドットコム
一杯のラーメンを4人でシェアする。そんなエピソードを紹介したブロガー・桃さんのブログエントリーが議論を呼んだ。
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桃さんのブログによると、福岡市で友達4人と夜にブッフェを楽しんだあと、繁華街の中洲に繰り出し人気ラーメン店に立ち寄った。食後ということもあり、4人でラーメンを一杯注文し、サガリと飲み物をそれぞれ注文した。ラーメンをシェアして食べることについて、店の許可はとったそうだ。
こうした注文方法については、ネット上には「迷惑行為だ」「許可をとっているから問題ない」など賛否両論が寄せられた。
今回のケースではお店の許可をとっているから問題ないだろう。だが、一般的には、こうした注文方法を迷惑に思う店もあるかもしれない。そうした場合、店側は拒否することができるのだろうか。中島宏樹弁護士に聞いた。
「飲食店は客の要望を何でも叶えなければいけないわけではありません。『店側が拒否できるのか』という問題は、法的には『店と客との間に契約が成立しているか』という問題に置き換えて考えることができます」
中島弁護士はこう切り出した。
「仮に契約が成立していなければ、店側が客の要望を拒否しても、法的に問題はないということになります」
中島弁護士はこのように述べる。どんな場合に「契約が成立した」といえるのだろうか。
「契約は、お互いの意思が合致した時点で成立し、双方に対する法的拘束力が発生します。
飲食店の場合は、お客さん側がメニューを見て注文し、お店側が注文を受けた時点で成立します。
お店側は、注文の品を提供する義務を、お客さん側は代金を支払う義務を、それぞれ負うこととなります。
ラーメンを複数人でシェアする形で注文したとしても、そうした注文について店側が承諾しなければ、契約は成立していないことになります。
今回のケースでは、桃さんはお店側の許可を得たというわけですから、『4人でラーメン1杯』という注文についても、契約は有効に成立しています。
お店の側はお客さんに求められるとなかなか断りにくいものですので、お客さんの側で、お店に迷惑をかけないよう、無茶な要求は行わないように心がけていただきたいものです」
中島弁護士はこのように述べていた。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
中島 宏樹(なかじま・ひろき)弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所、法テラス広島法律事務所を経て弁護士法人京阪藤和法律事務所京都事務所に至る。京都弁護士会所属
京都弁護士会:刑事委員会(裁判員部会)、民暴・非弁取締委員会、法教育委員会、消費者問題委員会
日本弁護士連合会:貧困問題対策本部
NPO法人京都町並み保存協議会:代表理事
事務所名:弁護士法人京阪藤和法律事務所京都事務所
事務所URL:http://www.keihan-towa.com/