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富士スピードウェイ50周年記念イベントで新旧ドライバーが秘話を披露

2016年03月06日 09:21  AUTOSPORT web

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富士スピードウェイ50周年を記念した関係者向けのイベントでトークショーに参加した新旧6人のドライバーたち。
今年で50周年を迎える富士スピードウェイが、レースファンに向けたさまざまな催しを50周年記念企画として発表。地域振興会を兼ねた3月5日の謝恩会では、往年のドライバーから現役のドライバーなど、これまでの富士スピードウェイの活動に関わった多くの関係者が出席し、富士スピードウェイの50周年をお祝いする言葉や、かつての思い出話に花が咲いた。

 1966年に開業して今年で50年目を迎える富士スピードウェイが50周年記念企画として今季、さまざまなキャンペーンやイベントを展開していく。サーキットでの特別ブースの設置や、抽選で50名が当選する次戦のパドックパス、懐かしいFISCOロゴのグッズ、歴代マシンの1/43ミニカー、そして全5巻に渡る記念冊子の無料配布に2017年3月開催予定の50周年記念感謝祭などなど、その企画数は現時点でも8つに上る。

 その概要の発表会、そして地域振興会を兼ねた謝恩会が3月5日に富士スピードウェイで開催され、これまで富士スピードウェイ、そして日本のモータースポーツを支えてきた往年のドライバーや現役ドライバー、現在とかつての関係者が参加して、謝恩会&地域振興会が催された。

 その会場でひときわ盛り上がったのが、新旧ドライバーによるトークショー。舘信秀、寺田陽次郎、関谷正徳といった富士に縁の深い往年のドライバーに、“チェカレンジャー"でお馴染みの現役ドライバー、松田次生、ロニー・クインタレッリ、平手晃平の合計6名が登壇し、それぞれの富士スピードウェイの思い出や今後への期待などを語った。6名による盛大なトークショーのため、話は多岐に渡ったが、ここではそれぞれの富士スピードウェイの一番の印象をお伝えする。

「いっぱい語ることはあるのですが、実は、今だから話せるのですが、富士スピードウェイを作っている当時、工事中の金網を壊して夜、真っ暗な中で走りました(笑)。それが今だから言える、富士スピードウェイの最初の思い出です」(舘信秀)

「初めて走ったときは、18歳の時でして、とにかくバンクにビックリしました。当時、今までの日本にないキャラクターのコースで、ここを全開で走ったら面白いだろう思いましたね。私はマツダに所属していましたが、この富士スピードウェイで毎月2週間くらい合宿をしてずっとロータリーエンジンの耐久テストをしてた思い出があります。富士スピードウェイがなければ、ルマン24時間の優勝はなかったと思っています」(寺田陽次郎)

「僕はこの富士スピードウェイがホームコースなので、一番最初にレースをさせて頂いたサーキットです。観客としては第3回日本グランプリ(1966年)の時に見に来ました。その時、今では大先輩の砂子(義一)さんが優勝して、ものすごく感動しました。それから数年後に、自分がレースをすることになりました」(関谷正徳)

「僕は2002年にカートからステップアップした15歳の時に初めてこの富士スピードウェイを走りました。ライセンスを取った直後でFトヨタのマシンで走りました。四輪に上がって初めて走ったサーキットがこの富士だったので、とにかくコースが大きくて衝撃的でしたよね。ストレートの長さに、コース幅などなど、カートのコースと比べてあらゆる点で桁外れだと感じたのを覚えています」(平手晃平)

「思い出はやはりこの長いストレートですよね。現在のコースの前、旧コースを2000年にフォーミュラ・ニッポンのマシンで走ったのですが、その時は最終コーナーが高速コーナーだったので、とにかく横Gが強くて、そのままストレートも長いので、とにかくすごいコースだな、と思ったのが第一印象です」(松田次生)

「初めて富士を走ったのは2002年の11月。GC21のマシンで走行をしました。その時に優勝して、翌年インギングから全日本F3にデビューするきっかけを頂いたので、とても縁のあるサーキットです。イタリアでもモンツァなどストレートが長いコースがありますが、この富士の雰囲気は独特。レースだけでなく、妻との出会いもこの富士スピードウェイだったので、本当に縁があります」(ロニー・クインタレッリ)

 以上のトークショーを含めた50周年記念企画に加え、今季の富士スピードウェイは場内設備をリニューアルし、コース監視システムを全面改修、さらには50周年の記念として日本モータースポーツ推進機構との協力により、高さ約16メートルの日本モータースポーツ顕彰碑を西ゲート近辺に建設することなどを明らかにした。

 日本のモータスポーツの歴史とともに歩んだ富士スピードウェイ。50周年の節目を境にし、ファンを第一に考えたさまざまな企画が多く予定されている。今回の謝恩会&地域振興会では過去の実績を振り返るとともに、今後の日本のモータースポーツの発展に期待する声も多く聞こえた。