スペイン バルセロナでの2016年第2回F1プレシーズンテストが4日目最終日を迎え、ジェンソン・バトンがマクラーレン・ホンダMP4-31をドライブ、開幕前の走行を締めくくった。
4日の天候は晴れでドライコンディション。マクラーレンは多数の空力パーツの設定および評価の作業に集中したほか、開幕戦に向けてラウンチ練習、スタート手順、ウルトラソフトコンパウンドなどのタイヤ特性評価を行い、レースセットアップに取り組んだ。
一日を通して信頼性の問題は発生せず、予定していた作業を完了、バトンは121周を走行し、ウルトラソフトでマークした1分24秒714で13人中7番手となった。
レーシングディレクターのエリック・ブーリエは、テスト中に実戦仕様のマシンを走らせることができなかったと明かした。
「テスト中にはまだ2016年の完全仕様は走らせていない。開幕戦オーストラリアでマシンにさらに新しいパーツを搭載する」とブーリエ。
「だがテスト中、大部分の日において大量の走行距離を稼ぐことができた。それはいいニュースだ。シャシーに関してはすべてのシステムチェックを完了できたことが重要だった。去年はそれができなかったのだ。いい仕事を成し遂げたと思う。信頼性の高いマシンでシーズンに臨むことができそうだ。その意味でも比較的自信を持つことができる。パッケージの基礎は問題なさそうだ。しかし今後数週間の間にパフォーマンスを向上させる必要がある」
ブーリエは「アグレッシブすぎる」製造スケジュールを組んだことで、パーツの完成が遅れ、テストに間に合わなかったと述べた。
「2016年のフルスペックはここで走らせていない。残念ながら持ち込めなかったパーツがある。それはオーストラリアで導入する」
「何か問題があるわけではない。あまりにタイトなスケジュールを設定すると、うまくいかないこともある。スケジュール面でぎりぎりまで攻めようとしている。空力担当者にパッケージ開発のための時間を最大限に与えたかったからだ」
「そうなると製造期間を短くせざるを得ず、何かが起こると遅れてしまうのだ」
「しかしこういったことはこの世界では普通のことだ。幸い我々にはコンスタントに開発、製造を押し進めていけるだけのリソースがある。昔はパッケージの大型アップデートをメルボルンで入れ、次はバルセロナに入れるといった具合だったが、今は毎戦それを行っている。レースウイークエンドに毎回アップデートを導入していくことには慣れており、今年もメルボルン以降、そのようにやっていく」
去年に比べるとトラブルが少なかったため、多数の作業を行い準備を進めることができたとブーリエは今年のテストを総括した。
「テストプログラムのチェックリストにおいて、多数の項目を実行した。そういう意味ではやり遂げた仕事に満足している。もちろん十分だと思うようなことはあり得ない。毎日一日中テストをしても、もっとしたいと思うものだ。だがいいスタートを切ることができたのは間違いない。メルボルンにおいて完全仕様で走る時、自分たちの位置が分かるだろう。他のチームも大きく進歩しているがね」
「ここまでのところファクトリーで得たデータとコース上のデータの相関精度はいいので、それなりの自信を感じる。たくさんの距離を走り大量のデータを集めることができたから、比較的準備をよく整えられたと思っている。まだ期待を抱くのは早い。時が来れば分かることだ。今後もメルボルンとその後に向けてハードワークを続けていく」
開幕戦オーストラリアGPは18日から20日に開催される。