4日、スペインのカタルニア・サーキットで行われた第2回F1合同テスト4日目最終日は、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが総合トップタイムをマークした。
2月末にスタートしたプレシーズンテストは、最終日もベッテルのフェラーリが最速タイムをマーク。跳ね馬は8日間のうち、実に5回目となるトップを奪い、打倒メルセデスに万全の態勢を整えた。
午前中にスーパーソフトで1分22秒852を記録したベッテルは、午後のセッションでレースシミュレーションを走りきり、トータル142周を走破。納得のかたちで8日間にわたる作業を締めくくったベッテルは、「とても多くの周回を走り、プログラムも順調に進めることができたので、いいテストだったと思う」とコメント。
「このクルマが勝者となりえるかはしばらく様子をみる必要があるが、最初の印象は良かったし、これまでの作業に関してはポジティブだ。クルマの感触をはじめ、僕らが成し遂げた前進には全体的に満足している」
「ただ、メルセデスは今日発生した信頼性の問題にも関わらず、非常に強力なようだ」
そのメルセデスは、最後までスーパーソフトおよびウルトラソフトでのパフォーマンスランを披露せず。最終日もショートランとロングランのセットアップ作業に集中したルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグは、ランチブレイクの前にギヤボックストラブルに見舞われたものの、ユニットを交換することなく午後もロズベルグが走行。おそらく多めに燃料を積んだ状態で周回し続けたロズベルグはタイムシートの最下位に終わったものの、合計周回数を139周とし、8日間トータルでは1294周、実に19レース以上に相当する距離を走り込んでいる。
ウルトラソフトでベッテルのコンマ約3秒落ちだったカルロス・サインツJr.が全体の2番手。午前中にミディアムタイヤのロングランでセットアップ作業を行ったウイリアムズのフェリペ・マッサは、午後の予選シミュレーションでスーパーソフトを履いて3番手にジャンプアップ。同じくスーパーソフトでベストタイムを記録したフォース・インディアのセルジオ・ペレスが4番手で続いている。
ハミルトンに続く6番手にダニエル・リカルドのレッドブルがつけ、ジェンソン・バトンが最終日のステアリングを握ったマクラーレン・ホンダが7番手で続いた。トラブルフリーで121周を走りきったバトンは、ウルトラソフトを履いて1分24秒714を記録。同じウルトラソフトで2番手につけたトロロッソからは約1.6秒遅れだったが、最終的には初回の4日間より200周近く多い453周を走破した。
マクラーレンは、今回のテストで前後のウイングやサイドポッド、フロアといった多くの新パーツを投入しているが、完全な2016年仕様のマシンパッケージは開幕戦オーストラリアでデビューすることになっている。
ジョリオン・パーマーがドライブしたルノーは、朝のセッションで油圧系のトラブルに見舞われ31周と出遅れていたが、最終的には90周を走行。132周を走ったザウバーのマーカス・エリクソンが9番手。
前日、ブレーキ・バイ・ワイヤの問題に苦しんだハースは、ロマン・グロージャンとエステバン・グティエレスのふたりがドライブ。ソフトタイヤのグロージャンがスーパーソフトのエリクソンを上回るタイムを記録している。
実質的な最下位に終わったマノーのリオ・ハリアントは、ウルトラソフトで1分25秒899を記録。トップからは約3秒の遅れをとっている。