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KAT-TUN、田口参加ラスト曲で見せた「グループらしさ」 残る3人はどこに向かう?

2016年03月04日 13:41  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 3月2日、KAT-TUNが26枚目のシングル『UNLOCK』をリリースした。先月の『TRAGEDY』に続く2ヶ月連続のリリースで、発売日にはオリコンデイリーランキングで1位を獲得。表題曲は亀梨和也主演の土曜ドラマ『怪盗 山猫』(日本テレビ系)の主題歌で、通常版のカップリングには、ファンに音源化が待望されていた『世界一タメになる旅!』(日本テレビ系)のテーマソング「GREATEST JOURNEY」を収録している。


(関連:KAT-TUN亀梨和也、田口淳之介のキャラを継承?「1人抜けるからどうにか継続させていかないと」


 さらに今年はグループのデビュー10周年ということで、22日には記念ベストアルバム『10TH ANNIVERSARY BEST “10Ks!”』のリリースも決定。アニバーサリーの盛り上がりを見せる一方、『UNLOCK』は31日付けでグループを脱退する田口淳之介参加のラストシングルという面もある。その視点から見ると、今回のシングルは4人体制でのKAT-TUNらしさがつまった作品であると、ジャニーズの動向に詳しい芸能ライターの佐藤結衣氏は語る。


「表題曲『UNLOCK』は、デビュー時から変わらぬ“KAT-TUNらしさ”の詰まった曲だと思います。疾走感あふれる曲調で、アレンジもダンサブル。ドラマの世界観に近いミステリアスな雰囲気も、彼らのセクシーなイメージを助長しています。また、今回のMVでもやはり田口さんのダンスは目を引きます。彼のダンススキルはジャニーズの中でも高い方だと思うので、4月から行われるドームツアーでは見られないのかと思うと、寂しい気持ちになりますね。でも、グループとしてはこれまでも紆余曲折を乗り越えてきたからこそ、脱退ムードに乗じてファンをしんみりさせる曲でなく、『やっぱりかっこいい!』と言われる曲をラストシングルに持ってきたのでしょう。そこから歌詞の前向きな『GREAT JOURNEY』への流れで、3人になっても大丈夫と伝えてくれている気がします」


 KAT-TUNは5月1日より、グループ活動を無期限休止することを発表している。メンバーはしばらくの間ソロで活動することになるが、その小休止で亀梨和也、中丸雄一、上田竜也の3人はどう成長するのだろうか。


「亀梨さんはKAT-TUNのセンターに相応しいセクシーキャラを磨きつつ、マルチに活躍すると思います。実際にも器用なタイプなので、引き続き俳優、スポーツキャスターなど多彩な分野で活躍するでしょう。中丸さんは最近、MC姿が板に付いてきました。そのキャラはポストV6井ノ原快彦さんと言うべきか、ゲストにグイグイと迫るより、ひとつの話題をほんわりと広げていく癒やし系タイプ。今後、実力と認知度が備われば、NHKや年配の方向けの番組にも進出していけると思います。上田さんは体育会系なので、特技のボクシングをより極める道に進むのでは。ジャニーズのスポーツ枠は亀梨さんが野球、NEWS手越さんがサッカー、と埋まりつつあるなかで、新たな『格闘技系』の草分けになりそう。よりトレーニングを積むことで、東京オリンピックでキャスターができるほどにスキルアップしてくれたら嬉しいです」


 これまでも度重なるメンバー脱退を受け止めながら、自分にしかない個性を磨いてきた3人。活動10年の区切りを担ったのは「UNLOCK」というロックナンバーだが、今後はどのような音楽性を見出していくのだろうか。


「グループという形態は、人数が少なくなればなるほど、個の持ち味をより磨かざるを得なくなります。その意味で『UNLOCK』は4人でできる表現の集大成であり、3人での表現に向き合う時にも、真っ先に振り返る一曲となるでしょう。また、これからのKAT-TUNは、どんな困難も乗り越えることができる頼もしさと、それを糧に変えて前進する姿勢が魅力になると思います。数々の苦難を乗り越えてきた底力を活かし、ダンスだけでなく歌唱の面でも見せられる楽曲が増えれば、グループとしての迫力も増すと思います」


 『UNLOCK』のような「かっこいい」イメージを貫いてきたKAT-TUNが、新体制を迎えるにあたって進化を遂げる可能性は大いにある。先のシングルではどのような表情を見せてくれるのか、より自身の表現を追求して、グループの活動に還元される日を待ちたい。(遠藤良美)