アウディにおいて、現状F1参戦は全く話題になっていないことを技術開発責任者が明らかにした。
最近ウルリッヒ・ハッケンベルクの後任となったステファン・クニルシュは、アウディは電気駆動やハイブリッド技術を主にWECに集中させると言う。また、アウディが現在同じく力を入れるDTMでも、将来的には同様の方向にしていきたいと考えている。
英国オートスポーツの姉妹誌であるオートカーがアウディのF1プログラムについての取材をしたところ、クニルシュは以下のように回答した。
「アウディではF1参戦に関して、まったく話題になっていない。我々はWECとDTMに集中している。電気駆動やハイブリッド技術が大きな役割を占めるル・マンでの勝利を目指しており、同様の技術をいつDTMに導入するかについての議論をしている」
アウディの親会社にあたるフォルクスワーゲン・グループのトップ、ウォルフガング・デュルハイマーは先週、F1は競技的にも政治的にも「将来が予測しがたい」と、傘下企業が参戦しない理由を述べている。
「レギュレーション面では、エンジンやサポート技術の部分で様々な噂が流れている。資金投入を決定する前に、レギュレーションが5年にわたって安定していることを確認しなくてはならない。ルール変更の可能性があってもいけないし、気筒数が変更になるのも困る。ハイブリッド・システムが市販車の技術とかけ離れるのも良くはない」
「F1は所有権に関しても大きな懸念がある。大企業として投資をする場合、現所有者が存続することを前提として、その組織にある程度の影響力を持つことを期待する。F1ではオーナーが現職を継続するわけではなさそうで、それが状況をより不安定にしている」