3日、スペインのカタルニア・サーキットで行われた第2回F1合同テスト3日目は、フェラーリのキミ・ライコネンが総合トップタイムをマークした。
開幕前最後の合同テストも終盤3日目を迎えたこの日は、朝の走行を前に現在F1が導入を検討しているコクピット保護システム「ハロ」の走行テストがフェラーリの協力を得て行われ、SF16-Hに保護パーツを搭載したキミ・ライコネンが1周のインスタレーションラップを披露した。
そのライコネンは「ハロ」のテストを手短に済ませると、ノーマルなSF16-Hで通常のテストプログラムに移行。すると、ウルトラソフトでのアタックラップで1分22秒765を記録し、前回のテストでチームメイトがマークした最速タイムを0.045秒上回り、タイムシートのトップにつけた。
ライコネンは午後のセッションでレースシミュレーションも実施。ノートラブルで66周を走破したフェラーリのラップタイムは、メルセデスふたりのシミュレーションに対して全体的にほぼ互角といえるものだった。
2番手はウイリアムズ。バルテリ・ボッタスからFW38を引き継いだフェリペ・マッサは、初のレースシミュレーションに加えてセッション終盤にはウルトラソフトでの予選ランに取り組んだ。しかし、生憎トラフィックに阻まれてしまいベストパフォーマンスを出し切ることはできず。それでもソフトタイヤでのベストタイムはライコネンの約コンマ4秒落ち、初日に同じソフトでベストタイムを記録しているメルセデスのニコ・ロズベルグとは約0.17秒差とまずまずのタイムを刻んでいる。
3番手につけたニコ・ヒュルケンベルグと4番手のマックス・フェルスタッペンはウルトラソフトでベストタイムをマーク。フォース・インディアはフェラーリからコンマ約5秒差、トロロッソはコンマ約6秒差となっている。
ニコ・ロズベルグが午前、ルイス・ハミルトンが午後の走行を担当したメルセデス勢は主にミディアムタイヤでセットアップ作業に集中。81周を重ねたロズベルグが5番手、63周を走ったハミルトンが11番手につけた。
マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソはスーパーソフトでベストタイムを記録。ソフトタイヤで6番手につけたザウバーからコンマ1秒落ち、ウルトラソフトで8番手タイムを記録したマノーのパスカル・ウェーレインをコンマ約1秒上回るタイムとなっている。
9番手は121周を走破したレッドブルのダニール・クビアト。午前中26周と若干出遅れていたルノーのジョリオン・パーマーは最終的に98周を走りきった。
最下位はハースのロマン・グロージャン。この日、3度も赤旗を出したグロージャンはマシンに大きなダメージを負うことはなかったが、一日を通してブレーキ・バイ・ワイヤの不具合に苦しむこととなった。
テストは明日が最終日。ここまでウルトラソフトを履いていない王者メルセデスの動向に注目が集まる。