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山本舞香が語る、初主演映画での苦労と成長「いまも自分の姿を見られるのは恥ずかしい」

2016年03月03日 12:52  リアルサウンド

リアルサウンド

山本舞香

 山本舞香主演作『桜ノ雨』が3月5日から全国公開される。本作で主人公の未来(みく)を演じる山本は、『三井のリハウス』『JR SKI SKI』のCMで注目を集め、現在、中川大志主演のドラマ『南くんの恋人~my little lover』(フジテレビ系)や Hey!Say!JUMP・山田涼介主演の映画『暗殺教室』などの話題作に出演する若手女優の注目株だ。そんな彼女は、初主演を務めた『桜ノ雨』にどんな心境で臨んだのか、そして女優としてどんな展望を抱いたのか。


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ーー『桜ノ雨』は山本さんにとって初主演作品となります。


山本舞香(以下、山本):お話をいただいた時は素直に嬉しかったです。台本の一番最初に私の名前が載っていたのを見たときは、感激しました。未来ちゃんのような内気なキャラクターを演じたのも今回が初めてで、すごく良い経験になりましたし、私自身の成長にも繋がったと思います。


ーー主演を務めるということで、意気込みも強かったのでは。


山本:そうですね。でも、役作りなどについては普段と変わらず、自分のペースで挑みました。いつも台本はしっかり読み込みますが、直前まで役を固めすぎないように気をつけていて。このシーンではこう動こうとか、こういう仕草を入れてみようとか、事前に準備して現場に入ることは少なくて、セリフだけを頭に入れる感じですね。周りの人のお芝居を肌で感じながら演じてみたり、監督と話し合いながら役を固めていくケースがほとんどです。ただ、今回は内気な役が初めてだったので、街中や電車内で人間観察して、その仕草や雰囲気を汲み取ろうと努めました。


ーー以前に出演された『Zアイランド』では、品川ヒロシ監督から「直感的に演技ができる人」と評価されていました。その辺はどう捉えていますか?


山本:ずっと感覚で演技をすることが多かったんですけど、やっぱり「行動原理」を考えることも大切だと思うようになりました。両方をきちんと取り入れていけるようにしたいですね。今回のウエダウエダ監督は、私のことをすごく褒めてくださって。ワンシーンごとにそばに来て、演技の話を丁寧にしてくださったのが印象に残っています。


ーーもともとは感覚的なタイプなのでしょうか?


山本:そうですね。プライベートで遊びに行く時も、あまりしっかりしたプランを立てることは少なくて、その時の気分で行動しています。基本はインドア派なので、部屋でのんびりしていることが多いんですけど。何事も直感で動くタイプですね。


ーー本作で演じた主人公・未来の印象とは異なりますね。


山本:未来ちゃんとはたぶん、対照的なタイプかもしれません(笑)。でも、自分の気持ちをなかなか人に伝えることができない、純粋な女の子という印象で、可愛らしい人だと思って演じていました。わたしはどちらかというと、思ったことはすぐに口にしてストレートにぶつけちゃうので、彼女には見習う部分も多いかな。


ーーご自身のキャラクターとのギャップを埋めるには苦労があったと思います。


山本:実は、『桜ノ雨』と同時期に『南くんの恋人~my little lover』の撮影も行っていて。『南くんの恋人~my little lover』ではすごく明るい女の子の役を演じていたので、スイッチを切り替えるのが最初はやっぱり大変でしたね。撮影が進むにつれて、徐々に役に入り込むことができました。内気な女の子は声が高い印象があったので、声のトーンを高めてみたり、発言することが少ない役なので、表情の演技で未来ちゃんの心情を表したり、細かな演技を積み重ねて少しづつ彼女のイメージに近づけていきました。繊細な作業だったからこそ、学ぶところも多かったです。


ーー本作では歌にも初挑戦していますね。


山本:新しいことに挑戦することに対しては慎重なタイプなので、プレッシャーは大きかったです。仕事だと考えれば大体のことはできるのですが、プライベートだと初めてのことには絶対に手を出さないタイプです(笑)。今回も、歌うことに苦手意識があったので、かなり勇気を振り絞る必要がありました。本当は、いまも映画やドラマで自分の姿を見られるのは恥ずかしいです。ただ、今回の作品では合唱部のみんなと練習を重ねることができたので、自然と歌えるようになりました。自分の中では大きな進歩だと思っています。


ーー同世代の女優を意識したりはしますか。


山本:比較されることもあるかもしれませんが、基本的には頂いた役を私なりに全力でやりきるだけです。自分の長所がどこかとか、正直よくわからないけれど、ただ芝居をすることに対する恐怖心とかはあまりないので、思い切りよくぶつかっていきたいですね。でも、役者としての経験はまだまだ足りないと思うし、いまの私が現場でなんとかやっていけてるとしたら、それは監督やスタッフさんが芝居をしやすい環境をしっかり作ってくださっているからだと思っています。今回、初めて主演のお話をいただいて「私でいいのかな?」と不安に思う部分もありましたけれど、ちゃんと作品ができて、改めて支えてくださる方々の大きさを実感しました。


ーー阿部サダヲさんが主演する『殿、利息でござる!』では時代劇に出演するなど、大きな舞台でベテランの方々と共演する機会も着実に増えていますね。


山本:先輩方の演技が間近で見られるのは本当に大きな経験になります。一緒に仕事をさせていただくのは緊張しますが、そこでしっかり学んで次につなげていきたいですね。芸能活動を始めたばかりの頃は、事務所やスタッフの方々から言われた通りに行動するだけで精一杯でしたが、今後は自分の意思をきちんと持って主体的に行動できるよう成長していけたらいいなと思います。(泉夏音)