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嵐、関ジャニ∞、ジャニーズJr.…「卒業ソング」の裏側にある隠れたエピソードとは?

2016年03月03日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 2016年も既に3月に入り、卒業や旅立ちのシーズンが近づいている。学校や会社からの卒業、仲間や家族の新しい地への旅立ちなど、さまざまなシーンが挙げられるだろう。今回は、そんなシーンを盛り上げてくれるジャニーズの楽曲と、その裏側にあるエピソードに注目してみたいと思う。


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■嵐「season」


 「season」は、ジャニーズの卒業ソングに必ず挙がると言っても過言ではない楽曲だ。『卒業ソングランキング2013』(オリコン調べ)で9位にランクインしたこともある同曲は、2009年発売の27枚目のシングル『Everything』のカップリングとして収録された曲で、auのCMソングにもなっていた。2009年と言えば、嵐結成10周年の年。ベストアルバムで初のミリオンセラー達成、史上初・オリコン年間チャート4冠達成、『VS嵐』(フジテレビ系)のゴールデン進出、『NHK紅白歌合戦』(NHK)初出場など、グループとして一番勢いに乗っていた頃でもある。“その時期の卒業ソング”と考えると、グループとしての新境地を歌っているようにも思えてくるのではないだろうか。歌詞の中の<あの頃 憧れてた 未来を歩き出した/わからなかったこと少し 分かり始めた気がする><思い出を抱きしめながら 僕たちは歩いてゆくよ>という部分に注目すると、これまでのグループの在り方から旅立ち、新境地へ向かっていく決意にも取れる。実際、2010年以降は楽曲に関する新記録を次々と樹立したり、史上初となるグループでの紅白の司会、斬新な演出を取り入れたコンサートなど、“ジャニーズ初”と言われる試みを多く実行している。聴いている我々にとっても、希望を抱かせてくれる一曲だ。


■関ジャニ∞「無限大」


 10年以上前の2005年に発売されたこの曲も、ファンの中でかなり根強い人気を誇ってる。「無限大」が発売された後、元メンバーの内博貴の脱退が発表されたため「内に宛てた曲では?」とも言われているが、より大きなテーマである「グループの絆」を歌っている一曲だ。歌詞も“関ジャニ∞というグループの関係性”を彷彿させる内容になっている。当時、関ジャニ∞は念願のデビューを果たしたものの、長らく苦しい時期を過ごしていた。そんな彼らが<夢に描いた世界はいつも 思うほど簡単じゃなくて/こぶし握って積み上げた日々は たからものにかわるさ>と歌うからこそ、共感が生まれるのだ。辛かった時期を共に過ごした仲間との絆を歌う歌詞は、卒業にピッタリだ。そんな彼らの思いが通じたのか、「無限大」が収録されている3枚目のトリプルA面シングル『好きやねん、大阪。/桜援歌(Oh!ENKA)/無限大』は、はじめて全ての曲でタイアップが決まった記念すべきシングルでもある。


■関西ジャニーズJr.「See You Again」


 音源化されていないにも関わらず、ファンからの人気が高い「See You Again」を取り上げてみよう。「See You Again」は、関西ジャニーズJr.が出演していた舞台『関西ジャニーズJr.春休みスペシャルShow 2015』で歌われた曲である。同公演の千穐楽で、人気Jr.が卒業を迎えた。Jr.の退所に関しては発表がされないため大々的な「卒業」という形ではなかったが、出演メンバーたちが涙ながらにこの曲を歌っていたことが印象的で、ファンの間でも話題になっていた。切ないメロディーに乗った<きっとまたいつか 会えるから/今は See You Again>という歌詞は、友であり戦友だった仲間の旅立ちを後押ししているのだろう。ファンからの反響が大きかったためか、後に『ガムシャラ!SUMMER STATION』でジャニーズJr.の人気ユニット・Mr.King vs Mr.Princeがこの曲を披露したが、“卒業ソング”という括りで見ると関西ジャニーズJr.が披露した「See You Again」が唯一無二だ。ぜひ音源化して、より多くの人のもとに届いて欲しい一曲である。


 ジャニーズの楽曲一つひとつの影には、さまざまなドラマが隠されている。ファンにとっては必ずしも嬉しいドラマではないかもしれないが、背景を知った上で曲を聞くとまた違った印象を受けることができる。時には、曲に対して一歩踏み込み、自分の思いを重ねてみるのも良いかもしれない。そしてこの春も、ジャニーズの楽曲が多くの人の背中を押してくれることを期待したい。(高橋梓)