トップへ

テロ後初のパリコレ開幕 アンリアレイジが4度目の挑戦<16年秋冬>

2016年03月02日 09:42  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

ANREALAGE 2016-17年秋冬コレクション Image by: ANREALAGE
パリで3月1日、2016-17年秋冬の新作を発表するファッションウィークが開幕した。初日にはデザイナー森永邦彦が手がける「アンリアレイジ(ANREALAGE)」が、パリで4回目となるショーを開催。「NOISE」をテーマに、コンピュータプログラムを取り入れてノイズに包まれた服を発表した。

アンリアレイジがパリ4回目のショーの画像を拡大

 昨年11月にパリ市内で起きた同時多発テロ事件後、本格的なウィメンズのファッションウィークは初めての開催。9日間の期間中、参加ブランド数は約100ブランドと例年通りだが、スケジュールを掲載している公式サイトではショー会場の記載が控えられ、また合同展示会などの会場では警備の強化といった安全対策が取られている。
 「アンリアレイジ」のショーは、16区のPalais de Tokyo(パレ・ド・トーキョー)で開催。フロアの中央に半透明の幕が張られたボックスが設置され、モデルは池田亮司の音楽と共にその中を歩いた。パッチワークをはじめニットや織り、靴やバッグのプリントまで全てのテキスタイルが砂嵐と呼ばれるアナログテレビのノイズ柄。肩が張ったボックスシルエットが特徴で、中盤ではジグザグのカッティングや不揃いな裾などパターンにも乱れが生じている。後半はプログラマー兼アーティスト浦川通(QOSMO,INC.)の協力で、2枚重ねると隠された暗号が復元される視覚復号型暗号技術(Visual Cryptography)を応用したテキスタイルが登場。それぞれに暗号化した柄のコードが組み込まれていて、ステージの幕と重なるとドットや市松模様などが現れる仕組みだ。終盤は幕が上がり、PVCのポンチョを羽織ることでテキスタイルが重なって花柄が浮かび上がり、フィナーレを飾った。森永邦彦は、ノイズばかりの情報化社会におけるファッションのあり方に向き合い「意味なきものに、意味を込めた」という。
■最新コレクション【画像】ANREALAGE 2016-17年秋冬コレクション