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リリー&亀梨&橋本愛が宇宙人に、三島由紀夫原作の映画『美しい星』

2016年03月01日 13:21  CINRA.NET

CINRA.NET

リリー・フランキー
吉田大八監督の新作映画『美しい星』が、2017年5月に公開される。

『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの作品を手掛ける吉田大八監督。『美しい星』は核戦争勃発の恐怖に怯える冷戦下の国際情勢を背景にした、三島由紀夫による1962年の同名SF小説をもとにした作品だ。映画版では現代に舞台を移し、脚色を加える。

物語の主人公は、空飛ぶ円盤を目撃したことをきっかけに火星人として覚醒した大杉重一郎。水星人として覚醒した長男・一雄、金星人として目覚めた長女・暁子と共にそれぞれの母星から使命を受け取った大杉家が、「美しい星」である地球を守ろうと奮闘する様が描かれる。

当たらないことで有名な気象予報士で、世界救済の使命に燃える火星人に覚醒する重一郎役を演じるのはリリー・フランキー。知性を司る水星人に覚醒するフリーターの一雄役を亀梨和也、自分の美しさがコンプレックスの女子大生で、美を象徴する金星人に覚醒する暁子役を橋本愛が演じる。さらに家族の中で1人だけ覚醒せず、地球人のまま退屈を持て余し、怪しいビジネスに手を染める母・伊余子役に中嶋朋子がキャスティングされている。

吉田監督は同作について「原作の精神を尊重しつつ、人類生き残りに有り金まるごと賭けて悔いなし、そんな宇宙レベルのエンターティンメントを目指します」「あと、空で待ってるスターマンにちょっとだけ捧げます」と意気込みを語っている。撮影は3月中旬から4月中旬にかけて都内近郊を中心に行なわれる。

■リリー・フランキーのコメント
吉田監督作品は全部見ていて、大好きでした。
そんな監督に主役のオファーをいただいて、嬉しさと驚きと、爽やかな印象のある気象予報士役が自分で良いのかな?と不安もあります。
とはいえ「予報が外れてもアリなキャラクター」なら何とかなるかもしれません。
そして何より、吉田監督がどのように映画を撮られるのか、その現場を見ることができるのが最大の楽しみです。
学生の頃から三島由紀夫のファンでしたが、脚本を読んでみたら原作とは異なる面白さが加わっていて、ワクワクしました。

重一郎という役と自分は、思い込みの激しさが似ていると思います。
UFOについて真剣に考えたことはありませんが、何かのきっかけで思い込んでしまうような存在な気はします。
当然、宇宙人を演じるのは初めてですが、演技をするうちに、宇宙人を信じてしまいそうで怖いです(笑)。

■亀梨和也のコメント
脚本を読んで、今の時代の問題意識が描かれており、僕自身もまさに実感しているものでした。
役柄に関しては、年齢を重ねていく中で生まれていく責任感や何かを背負わないといけないという一雄の葛藤や焦りなどに共感しました。
きっと僕だけではなく同世代の共通点なのかもしれません。
無限の可能性を感じていた10代から年を重ねていく中で、自分の限界を広げてくれるものは自分の中だけではなく、仕事など巡りあわせによってどこにでもあるものだと感じています。
今回は一雄という役に巡り合い、役を通して自分の可能性を広げていくことができたらと思います。

そんな等身大(同世代)の役を演じることになりましたが同時に水星人でもありますので、しっかりとした水星人になれるように、もっともっと水星について勉強してみたいと思います(笑)!!

過去の吉田監督の作品を拝見して、人と人との距離感の描き方がとても印象的だと思っていました。
その独特な人間の描き方は、コメディではなく監督のもたれている独自のユーモアな世界観なんだと思います。

30歳になったこのタイミングで、このテーマで、しかも吉田監督とのお仕事というのは、自分はとてもついていると感じます。
参加させてもらえることがとても楽しみです。

■橋本愛のコメント
吉田監督とは以前ご一緒させていただきましたが、今回は初めましての気持ちで臨みたいと思います。
宇宙とか宇宙人とか非現実的なモチーフはあれど、そこからはあまりに現実的な人間臭さを感じました。
頭の良い脚本と大胆で鋭利なテーマにくらっときていますが、美の昇華を一心に目指したいと思います。

■中嶋朋子のコメント
監督の『パーマネント野ばら』が好き過ぎます。いつか会えたら、話せたら!と思いつつ、その機会を得たらロクに話も出来なかったーー
完全なるファンです。さらには、三島作品の「美しい星」!!!ですよ。

まさか、この作品と関わりを持てる人生になろうとは!
なんでしょう、大興奮です。あ、でも、私の役目は、地球人だからなぁ、地に足つけないとですね、かなり浮き足立ってますけど、私。

「宇宙人」として考えると、合点がいくことって、世の中には結構ある。ちょっと「通じなそう」ってくらい、飄々としてる人。なにをされても、どうしてだか許せちゃう人。
逆に、なにをされても腹が立つ人。いやがおうなく、目を奪われる人etc….そっか、私の周りにいるあの人たちは「宇宙人」だったのだーーって。なんかほっとする。
わかり合えないことが前提になると、なぜだか、俄然わかり合える気がしてくる、不思議だけど。ていうか、このキャストの方々は、「宇宙人」ですね。合点がいきます。
私は地球人なので、その辺よーくわかります。

■吉田大八監督のコメント
原作の精神を尊重しつつ、人類生き残りに有り金まるごと賭けて悔いなし、そんな宇宙レベルのエンターティンメントを目指します。
物語の中心、大杉家のメンバーとして最高の4人が集まってくれたので、これからいったいどんな反応が起きて何が生まれるのか、想像するだけで恐怖のあまりワクワクします。
公開までそのワクワクを時々思い出していただければ幸いです。
あと、空で待ってるスターマンにちょっとだけ捧げます。