マクラーレンのレーシング・ディレクターであるエリック・ブーリエによると、ホンダがパワーユニットを改善したにもかかわらず、テストではパフォーマンスの低さが露呈してしまったという。
先週22日から行われたバルセロナでのテストでは、2日半で248周を走行し前向きなスタートを切ったマクラーレン。ところが残り1日半の時点でハイドロ系リークのトラブルに見舞われ、水曜日(24日)はジェンソン・バトンが9周で走行を打ち切った。また翌日には冷却液の漏れも発覚し、問題解決のためフェルナンド・アロンソは走行の機会を失うことになった。一方で以前問題が多発していたホンダ製ERSデプロイメントには進歩があり、良い兆候も見られている。
英国オートスポーツに対し、ブーリエは「ホンダは、昨シーズンで主な問題となっていた配置の部分で確かな修正をしてくれた。それでもまだ、パフォーマンスではメルセデスやフェラーリのレベルには届かないので、やるべき作業は多い。昨年の問題を踏まえると、今週はきちんと走れて、マシンをチェックしてデータを引き出し、ファクトリーに送り戻すことができるかどうかが焦点だった」と話す。
「昨年11月のシーズン終了時点から、このテスト開始まではシミュレーション上の作業しかできなかった。つまり常に実走とは異なるものになっていたので、やっと本来の形に戻ってこられたということだ。相関性に問題がないことを確認し、自分たちの現在の位置と進んでいる方向が理解できるようになる。(2回目のテストでは)みんなどこかの段階でレースのシミュレーションや予選と同じ走行をすることになるので、興味深い。そこから色々なことが読み取れる」
ホンダの復帰初年度となった2015年は、コンストラクターズ・ランキング9位と悲惨な結果に終わったが、ブーリエは今シーズンの目標を『飛躍的な進歩』としている。
「マクラーレンは勝つためのチームなので、勝たなければそれは失敗と同じだ。それが我々の理論であり、勝利のためにはすべてが適切でなければならない。正しい方向に大きく進化し、巻き返しのスピードが他を大幅に上回っていればいい。今シーズンは優勝できなくてもいいし、表彰台に上がらなくてもいい。それは期待しすぎだし、早すぎる。間違った期待を抱いてはいけない。大きすぎる期待は、失敗に繋がる」