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「F1新予選システムは時間の無駄」ドライバーから否定的意見

2016年03月01日 08:11  AUTOSPORT web

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2015年マレーシアGP ピットレーンで予選スタートを待つマシン
先週発表されたF1新予選システムに関し、ルイス・ハミルトンが「時間の無駄」であると否定的な発言を行った。

 F1ストラテジーグループとF1コミッションは、予選をより刺激的にするための変更において合意した。
 新システムは、Q1、Q2、Q3のそれぞれにおいて一定時間を過ぎた後からタイムシート最下位のドライバーをひとりずつ脱落させていくというもの。FIAはこの予選方式は早ければ2016年開幕戦から導入するという意向を示していたが、その後、バーニー・エクレストンは、ソフトウェアの準備が整わないため、導入は早くても5月のスペインGPからになると述べた。

 予選方式変更に加え、FIAは視聴者がレース中に投票して決定する“ドライバー・オブ・ザ・デー”アワードを新たに設定することも決めている。

 ハミルトンは、こういった新規則に大きな意義は見いだせないと述べ、F1上層部は規則変更に関してドライバーの意見を聞くべきだと主張した。

「“ドライバー・オブ・ザ・デー”というのは僕としてはあまりいい考えだとは思わない。やっても意味がないように思う。これに関してポジティブな意見はない」とハミルトンが述べたとThe Sunが伝えた。

「新しい予選については、そもそもこれを試してみる必要はないと思う。完全に時間の無駄だよ。何も効果はないだろう」

「彼らが思いついたああいうアイデアはいいとは思わない。僕らはファンがもっとわくわくできるようなことをしなければならないけど、(今回発表された規則変更では)そうはならないと思う」

 The Guardianはハミルトンの次のようなコメントを報じている。
「大きな変化が起こるとは思わない。何か変化があって驚くようなことが起きればいいなと思うけど、基本的にフォーマットは同じだ」

「長年にわたっていろいろと変更されてきたが、僕としては賛成していないんだ。もっとドライバーの意見を聞くべきだと思う。何がよくないか、何を改善すべきか、僕らは分かっているんだから」

「10年とか15年レースをしているベテランドライバーもいる。そういうドライバーはいろいろな規則変更を経験しているから、どういうことがうまくいってどういうことがうまくいかないか、分かっている」

「今実行されている規則変更に僕らは一切関与していないんだ」


 ダニエル・リカルドは、新予選システムに関し、それより先にやるべきことがあるとの考えを示した。

 F1にはこれよりも先に対処すべきもっと大きな問題があるのではないかという問いに対して「そう思うね。変更できることはいくらでもあるけれど、優先順位をつけるなら、先に他のことをすべきなのは間違いない」とリカルドは語った。

「予選に関しては、セッション序盤にたくさんのマシンが走ることになるという意味ではいいのかもしれない。本当にうまくいくのか、雨が降ったらどうなるのかなど、起こりうるさまざまなことを考えないでおくなら、いいと思うよ。でもどれぐらい状況が変わるのか、僕には分からない」

「セッション序盤にタイムを出しておかなければならないというプレッシャーは高まる。皆いいラップを走る必要があり、そうなるとトラフィックが起こる。15分の中でうまくタイムを上げていくというよりも、ミスがないことが求められるかもしれない」
「皆、慣れるだろうけどね」

 ファンが盛り上がるなら規則変更は歓迎だが、そのためには複雑なシステムは避けなければならないと、ニコ・ロズベルグは述べている。

「複雑になってほしくない。そこが重要だ。予選の時間が今まで以上にエキサイティングになればいいね」とロズベルグ。
「セッション最後にすべてが決まるというよりも、ひとりひとり脱落していくというのはいい」