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昼ドラ制作キャッチフレーズ「そこまでやるか東海テレビ」

2016年02月29日 18:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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  1964年5月4日から始まり、半世紀以上の歴史を誇った東海テレビの昼ドラが、ついにその幕を閉じる。輝かしい歴史と変遷、そして昼ドラへの思いについて、最後の昼ドラを担当する市野直親プロデューサーに聞いた。 東海テレビの昼ドラには、独特の濃厚さがある。 「僕が初めてプロデュースした『新・愛の嵐』の台本に“私の靴を舐めなさい”というセリフがあったんですね。でもそれってどうなのかな、と思ってセリフを直そうと思ったら、年上のスタッフの方に叱られたんです。それをどう表現するのか、それでこそ昼ドラだ、と」 スタッフにはあるキャッチフレーズがあるという。 「僕らには“そこまでやるか東海テレビ”というキャッチフレーズがあるんですが、作る側にこの気持ちがないとお客さんのご期待にそえないので、いつもそこは意識して作っていますね」 制限がないのが、昼ドラの魅力だと語る。 「僕は昼ドラって“なんでもあり”だと思っているんです。脚本家の方に話の内容を“こうしてください”と制限してしまうと、みんなが見てみたい世界が生まれない。でも描いている根っこはどの作品も同じで、それは人間をしっかり描くということなんです」 根本は変わらないそうだ。 「しかも全部で約60回、最近だと40回くらいですが、放送時間が長いので、主人公だけではなく周りの登場人物の人生までも描ける。それが激しいか穏やかか、ドロドロかホクホクかというだけで、愛憎でも親子関係でも、人間と人間のぶつかり合いがある。 長く続くためには変わり続けることが必要でそれもあって、さまざまな作品が作られましたが、描きたい根っこの部分はずっと変えていないんです」 熱心な視聴者に怒られることも。 「物語が後半になってロケへ行くと、見に来た視聴者の方に出演者が怒られたりするんですよ。“あんたがあんなことしなければよかったんだよ”とか言われるそうです。なので、この後はこうなりますからと説明すると“そうか、だったらいいよ”と納得してもらえたりするとか(笑い)。 でもそこまで入り込んで、ハマって見てもらえる。毎日見だすと止まらないのが、昼ドラの魅力ですね。スタッフ全員で“これが昼ドラの最後だ!”と踏ん張って作っています」 3月の昼ドラ終了後、4月からは土曜夜に1時間ドラマがスタートする。 「昼に毎日ドラマを楽しめるのはこれで最後。絶対に見る人の思いを裏切らないものにしたいですね」