F1のサウンドをより魅力的にするため、2016年のF1テクニカルレギュレーションが変更されたが、先週今年初のプレシーズンテストが行われた後、大きな改善は見られなかったという意見が多数みられた。
2014年に導入された1.6リッターV6ターボパワーユニットはサウンドの面で魅力がないとの指摘がなされてきた。これを受けてFIAは、エンジン音の改善を狙い、エキゾーストデザインを変更することを決めた。2016年のマシンにはタービンとウェイストゲートそれぞれのエキゾーストパイプを設けなければならないとの規則が定められた。
しかし実際に今季型マシンが走行した後、何人かの関係者がサウンドはそれほど大きく変わらない、あるいはほぼ変わらないと示唆している。
ニコ・ヒュルケンベルグはサウンドは去年とほとんど同じだとコメントした。「全く違いはない。僕にはほとんど同じに聞こえる」と彼が述べたとThe Associated Pressが伝えている。
セルジオ・ペレスは「正直言って、ほんのわずかな差だ。去年と比べて大きく変わったとは思わない」と発言。
「少し改善したと思う」とマクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは少し考えた後に答えた。「そう思うだろ?」
レッドブル・レーシングのチーフエンジニアリングオフィサー、ロブ・マーシャルはより辛らつで、エキゾーストデザインに関する規則変更は失敗だったと示唆している。
「新しいエキゾーストは時間の無駄だ」とマーシャル。
「音が大きくなったとは思わない。マシンが少し重くなっただけだ」
一方、大きな違いがないにしても改善したのは確かであるという、前向きな意見もみられる。
「少しサウンドが戻ってきてよかったと思う」とセバスチャン・ベッテル。
「まだ理想的というほど大きくはないけれど、以前よりはずっといい。多少F1らしいサウンドになった」
「エンジン音は少し大きくなった。もちろん完璧ではないけどね」とニコ・ロズベルグは言う。
「もう少し音が大きくなければ完璧とはいえない。でも現状はこうなのだし、それを受け入れなければならない」
英Autosportは、テスト中コースサイドにいた時の感想として、音が実際大きくなったとは感じづらいが、各パワーユニットの音の違いがあまりなくなってきたと述べている。
昨年最もクリーンで大きいサウンドを出していたのはメルセデスであるといわれていたが、その音にフェラーリ、ルノーが近づき、ホンダも、オフスロットル時に濁った荒い音がしているものの、概ねより標準的な音になっているということだ。