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セクゾ中島健人は“黒王子“それとも“白王子”? 映画『黒崎くん』や新アルバムで挑発的表現力を開拓

2016年02月28日 07:31  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 Sexy Zoneの中島健人が主演する映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』が2月27日、いよいよ公開された。この日を待ちに待ったファンも多いはず。なぜなら、人気少女漫画の原作でありながらも、かなり際どいドキドキのエロキュンシーンが満載。予告編からして、いきなりアゴくいからのキス。さらに、混浴シーン、後ろからハグされながら耳元での囁きなど、かなり刺激的な場面の連続に、うれしいやら、妬いちゃうやらと心が揺さぶられること間違いなし。


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 この作品で中島が演じるのは、“黒悪魔”とも呼ばれるほどのラブストーリー史上最高の悪魔級ドS男子。ヒロインに対して強引なアプローチをしながらも、ピンチのときにはサッと救ってくれるやさしさもチラ見えするニクいやつ。さらに、やさしい“白王子”の親友との奪い合いに発展という、女子憧れの展開だ。


 だが、このキャスティング、“白王子”こそ中島の地でいく役なのではと思ったファンも少なくないはず。なぜなら、中島のファンサービスの良さは、かなり有名。特に握手会での発言は“神対応”と絶賛されているほど。目の前で靴が脱げてしまったファンに「シンデレラ、気をつけて」と声をかけるなど、とっさの一言が天才的なのだ。「結婚して」と、おねだりするファンにも「婚姻届持っていくね」と、多くのファンと対面するにも関わらず、決して定型的な対応にはならない。そのキャラクターは、まさに少女マンガから飛び出してきた王子様。


 Sexy Zoneのコンサートでは、シンメトリーである菊池風磨とライバル関係を歌う曲があるが、衣装的にも中島が“白王子”、菊池が“黒悪魔”となる場面が多かった。さらに、これまで中島が演じてきたドラマや映画も、どちらかといえば“女性に翻弄されてしまう子犬系男子”がハマり役として印象深い。そんな中島が、一変して「俺に絶対服従しろ」と上から目線で言い放つシーンは、かなりのギャップ萌えを呼ぶはず。


 だが、この中島の演じる役の広がりは、この映画で急展開を遂げたのではなく、着実にキャリアを重ねてきたからこそ。先日24日に、発売されたSexy Zoneの4thアルバム『Welcome to SexyZone』に収録されているソロ曲「Mr. Jealousy」に注目してほしい。これまでハイトーンの優しい歌声が特徴だった中島が、力強く歌い上げており、その声量と表現力の伸びを改めて感じられる一曲となっている。


 この4年、舞台『ジャニーズ・ワールド』を牽引してきた結果、組織をまとめるリーダーとしての風格、強さ、そしてもちろんパフォーマーとしてのスキルと経験が身についたのだろう。そして、通常盤のボーナストラックには、共に舞台を作り上げてきた佐藤勝利とのデュエット「New Day」も収められている。『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)で披露された際には、すでに“黒王子”といった装いの挑発的な中島が披露され、改めて表現者としての力量を見ることができた。


 今回のアルバムに、「Sexy Zoneが大人になった」そんな感想を抱く人も多いのではないだろうか。5人体制であることをフルに活かして、2人組、3人組とユニットごとの曲を収録しているなど、新たな挑戦がつめ込まれた作品だ。また、松島聡とマリウス葉はすっかり声変わりをしており、2人で歌う「Sweety Girl」は、もう少年の初恋ではなく、思春期の切ない恋心に変わっている。


 そんな2人を菊池がリードしながら、3人で作詞にも挑戦した「You're the only one」もボーナストラックとして収録されている。菊池のソロ曲、佐藤のソロ曲は共に、それぞれの世界観がしっかりと確立されており、もはやベテランの域に。もちろん「24-7~僕らのストーリー~」では、美しいフォーメーションとパワフルなダンスを披露しつつ、それぞれの進化した歌声が存分に味わえる。


 まさに、大人の階段を駆け上がっている今の5人だからこそ発揮される、Sexy Zoneの世界へWelcomeといった内容のアルバムだ。中島の躍進、そしてそれぞれの活動を経て、さらにパワーアップした5人体制で、デビュー5周年イヤーをどのように充実させていくのか。3月25日からスタートするツアーが待ち遠しい。(佐藤結衣)