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月9『ラヴソング』に大抜擢、藤原さくらは“歌う女優”として大ブレイクなるか?

2016年02月27日 09:51  リアルサウンド

リアルサウンド

『ラヴソング』公式サイト

 福山雅治主演で4月から放送される月9ドラマ『ラヴソング』(フジテレビ)のヒロイン役に、シンガーソングライターの藤原さくらが大抜擢され、話題を呼んでいる。藤原さくらは現在20歳、2015年3月にミニアルバム『à la carte』でメジャーデビューしたシンガーソングライターで、役者業は未経験である。福山との年齢差が27歳もあることでも話題となっている本作だが、一方で劇中で披露されるというふたりの音楽にも期待がかかっている。


参考:水川あさみ、菜々緒、沢尻エリカ……“悪女役”で評価される女優が増えた背景


 音楽をテーマにした映画やドラマでは、実際にミュージシャンがキャスティングされることは少なくない。そこで本稿では、女優としての実績を持つ女性ミュージシャンを紹介するとともに、藤原さくらの今後を考察してみたい。


■yui


 現在ロックバンド“FLOWER FLOWER”のフロントマンを務めているyuiも、デビュー直後に女優業を経験している。当時、YUI名義でソロ活動を行っていた彼女は、2006年に製作された小泉徳宏監督作『タイヨウのうた』のヒロイン役に抜擢され、紫外線に当たると火傷する“色素性乾皮症”を患う少女が、音楽と恋を通して生きる希望を見出していく姿を熱演した。本作でyuiは、第30回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。役の名義(雨音薫)でリリースした主題歌「Good-bye days」はシングルとして過去最高の売上を記録し、彼女の代表曲のひとつとなった。その後、役者として大々的な活動を行うことはなかったが、本作で知名度を高めたことがyuiの音楽活動に勢いを付けたのは間違いない。


■大原櫻子


 大原櫻子は、その歌唱力の高さを買われ、2013年『カノジョは嘘を愛しすぎてる』のヒロインに抜擢されたことがきっかけとなりブレイク。劇中のバンド・MUSH&Co.名義でリリースしたシングル『明日も』がスマッシュヒットし、その後のソロデビューへもつながった。1stアルバム『HAPPY』もヒットし、歌手として順調にキャリアを積みながら、女優としても2015年には月9ドラマ『恋仲』(フジテレビ)に出演するなど、活躍の幅を広げている。人気少女マンガを原作とする『カノジョは~』での好演から、同世代の女性からの支持が高いのも特徴だ。映画やドラマにおけるイメージにより、支持層の幅を広げたタイプといえるかもしれない。


■井上苑子


 松居大悟監督とクリープハイプのコラボレーション映画『私たちのハァハァ』(2015年)で、クリープハイプの熱狂的なファンである女子高生のひとりを演じ、劇中では瑞々しいセンスを感じさせる弾き語りを披露した井上苑子も、女優としての実績が音楽活動に勢いを付けた好例といえるだろう。スペースシャワーTVの25周年記念映画として製作された同作が、熱心な音楽ファンの注目を集めたことも、公開後に発売されたメジャーデビューミニアルバム『#17』の人気に拍車をかけた。今後、彼女が女優としてどれくらい活躍するのかは未知数だが、音楽をテーマとした作品では必ずや存在感を発揮するはずだ。


■中島美嘉


 女優兼歌手の代表格として忘れてはならないのが、中島美嘉だ。2001年に放送された連続ドラマ『傷だらけのラブソング』(フジテレビ系)のヒロイン役に抜擢されるとともに、その主題歌も担当した中島は、歌手活動をメインとしながらも、2003年『偶然にも最悪な少年』や2005年『NANA』といった映画でミステリアスなオーラを放つ女優としても活躍した。重要な役割を持つサブキャラクターとして出演することも多く、2015年にはドラマ『表参道高校合唱部!』にゲスト出演したことも記憶に新しい。現在は歌手活動がメインだが、その突出した存在感はドラマを彩る要素としてこれからも求められるはずだ。



 ほかにも、今井美樹や柴咲コウなど、本格的に歌手活動をしながら女優としても活動するケースは少なくない。制作側からすれば、アーティストとして独自の存在感を放つ彼女らに、個性のある役柄を期待するのだろう。また、アーティストにとっても、映画やドラマで獲得したイメージがプラスに働くケースは多く、知名度の獲得やファン層の拡大といった視点から見てもメリットがある。


 キャロル・キングあたりを想起させる、藤原さくらの伸びやかな歌声は、すでに各所で高く評価されている。今回、福山雅治との共演で音楽リスナー以外の注目を集め、ブレイクへの階段をさらに上ることになるのではないか。(泉夏音)