3日目続いて、バルセロナテスト1回目の最終日となった4日目もマクラーレン・ホンダをトラブルが襲った。これで4日間で3回のトラブルが発生したことになる。
この3つを整理しよう。まず、初日のトラブル。これはパワーユニットの吸気系のメカニカルな問題で、これはすでに対策パーツを準備しており、3月1日から行われるバルセロナテスト2回目に改良されたものが投入される予定だ。
次に2月24日(テスト3日目)の午後に起きたトラブル。これはハイドロ系のトラブルで車体側の問題だった。ただ、その漏れたオイルがパワーユニットのインテーク系の部分に引火したため、3日目まで使用していたものは交換せざるを得なかった。つまり、最終日にトラブルを起こしたのは、3日目までとは異なるパワーユニットだった。
そして、最終日に起きたトラブルは、この交換されたばかりの新しいパワーユニットのERS系のクーリングシステムの不具合。長谷川祐介総責任者によれば「冷却剤漏れ」だった。
こうして冷静に振り返ってみると、トラブルはマクラーレンのマット・モリスが言うように「マイナートラブル」ばかりだったことがわかる。したがって、MP4-31とホンダRA616Hの根本的な部分に深刻な問題が発見されたというわけでもなく、4日後に控えている2回目のテストに向けて暗雲が垂れ込めたわけでもない。
しかし、テスト後に会見場に姿を見せた長谷川祐介総責任者の表情は硬かった。
「最初の2日間は順調で、昨年課題だったデプロイの問題がかなり改善されていたことが確認できたことは収穫ですが、それ以外、特に信頼性に関する部分はまったく確認できなかったのは痛かった。もちろん、起きたトラブルは(シリンダー)ヘッドが割れるとか、バルブが落ちるというようなエンジンの深刻なものではありませんが、マイナートラブルでも止まってしまったら終わりですから、深刻に受け止めなければならないことです。準備不足を露呈したと言わざるを得ない」
トラブルがなんだったのかではなく、開幕までテストはあと4日間しか残っていない、この段階で起きたことに、長谷川祐介総責任者は苛立っていた。それは長谷川祐介総責任者が10年以上レースを戦ってきた中で学んだレース哲学があるからである。
「信頼性を確認できなければ、レースに参加する権利はない」
2回目のテストをトラブルフリーで乗り切ることに期待したい。