23日、六本木のグランドハイアット東京で、スーパーGT300クラスに参戦するExcellence Porsche Team KTRが参戦発表会を行い、2016年から導入される新ポルシェ911 GT3Rを公開した。
2016年のスーパーGT300クラスは、ドイツ車を中心に多くの新型GT3カーが登場することになるが、スポーツカーの雄ポルシェから、世界でもまだそれほどデリバリーが多くはない新GT3Rが登場することになった。
発表会の会場には、ホワイトとグレー、レッドに彩られた新型ポルシェ911 GT3Rが鎮座。そんな中、新GT3Rをドライブする今季のチーム体制が発表された。車両名称は『Excellence Porsche』。Aドライバーには、ひさびさのスーパーGT復帰となる山野直也が就任。また、Bドライバーはポルシェファクトリードライバーで、新GT3Rの開発も努めてきたヨルグ・ベルグマイスターが務めることになった。
メンテナンスはGT300クラスではこれまで多くの勝利を獲得してきた名門KTRというところは変わらないが、昨年から首都圏を中心に多くのポルシェディーラーを展開するエクセレンス・インターナショナルとコラボを開始しており、今季はさらにそのコラボレーションが深められ、メカニックにも、ポルシェセンターからディーラーのメカニックが加わることになった。
発表会で挨拶した、チーム代表も務めるエクセレンス・インターナショナルの藤田正社長は、「ポルシェの魅力は、356シリーズ以来モータースポーツによって培われた魅力を、現代まで継続して伝えていることです。私たちは常にたゆまぬ挑戦を続ける会社でありたい。お客様にポルシェの素晴らしさ、限りない性能を伝えるためにモータースポーツに挑戦していきます」と語った。
また、ポルシェジャパンの黒坂登志明会長も「2016年の体制は、ポルシェのスーパーGT参戦史上最高のサポート体制となっています。それは、ポルシェのファクトリードライバーが参戦すること、そしてポルシェAGのエンジニアが派遣されること。これはかつてなかったものです」と語る。
「この新しいGT3Rは、38台が生産されます。そのうち、1号車から6号車はアメリカ用でした。そして、7号車がこの車両です。これは、ポルシェAGが日本チームを重視していることの現れです。チームがポルシェAGに強くアピールしてきたモータースポーツへの情熱が、この結果に伝わったのだと思います」
すでにこのGT3Rは、富士スピードウェイで映像収録も兼ねてシェイクダウン済み。ステアリングを握った山野は「これまで多くのポルシェのレーシングカーを乗ってきましたが、常にパフォーマンスが上がり続けている。このGT3Rも確実に性能が上がっているので、まず勝利、そしてチャンピオンを目指していきたい」と語った。
「ものすごくスタビリティが上がっているし、電子デバイスの精度が上がっている。フロントの下面からダウンフォースも大きく発生させているので、安定していてドライブが楽。とても期待できますね」と山野も新GT3Rに大いに手応えを感じた様子だ。
ベルグマイスターはこの日出席することはできなかったが、「スーパーGT参戦を楽しみにしている」と語る。耐久王ポルシェが、WECでの経験を惜しみなく注ぎ込んだ新GT3Rが、激戦のGT300でどんなパフォーマンスを発揮するのだろうか。