2016年02月24日 15:22 弁護士ドットコム
全国労働組合総連合(全労連)の女性部2月24日、働く女性の4人に1人が流産を経験しているとの調査結果を発表した。2011年以降に妊娠・出産した女性労働者を対象にアンケートを行い、調査結果をまとめた。
【関連記事:下着みせて「チラっしゃいませ」 女子高生が働く「ガールズバー」が摘発されたワケ】
同調査は、全労連が女性労働者の実態を明らかにするために、おおむね5年ごとに実施している。今回の調査は2015年4月から7月にかけて実施。2011年以降に妊娠・出産した全国47都道府県の女性労働者2909人に、全労連の加盟組織から労働組合などを通して調査用紙を配布して行われた。回答者の内訳は、正規労働者が82.9%、非正規労働者が16.0%。
調査結果によると、「過去に流産を経験したことがある」と答えた人の割合は23.2%。約4人に1人が流産を経験していた。前回調査時(2011年)の24.4%よりはやや減少しているが、引き続き高い水準となっている。「切迫流産・早産を経験したことがある」と答えた人は27.5%にのぼった。「切迫流産・早産」を経験したと答えた人について、職種別では「看護師」(37.4%)が最も多かった。妊娠の経過が順調だったと答えた人は、33.9%にすぎなかった。
妊娠中の休憩時間延長・回数の増加措置については、64.5%が「知らなかった」と回答。通勤緩和のための勤務時間短縮措置は、38.2%が「知らなかった」と回答した。両制度の周知度の低さがうかがえる。
また、雇用形態にかかわらず、すべての女性労働者が取得できる産前休業(産前6週)を、「6週間未満しかとれなかった」あるいは「とらなかった」理由として、「職場の都合で請求しなかった」と答えた人は13.8%にのぼった。また、非正規女性労働者の23.2%が「制度を知らなかった」と回答している。
回答者の自由記述欄には、「妊娠中、夜勤勤務中に出血。(中略)出血が続き、腹痛も強く翌日勤務ができない可能性を伝えたが交代がいないと言われた。流産後には、『なかった子どもだと思えば気も落とさなくてすむ』と言われた」という声があった。
また、育児休業を取得したのは、正規労働者が83.0%、非正規労働者が47.4%と大きな差があった。「取らなかった」もしくは「希望よりも期間を短縮した」と答えた人の理由として最も多かったのは、正規労働者では「所得保障が少ない」(46.2%)、非正規労働者では「制度がない」(22.4%)がそれぞれ最多だった。
育児休業は本来、「子が1歳に達するまで」取得することができる。しかし、育児休業についての自由記述欄には、待機児童問題がネックとなり、切り上げざるを得ない状況も浮かびあがった。「住んでいる区は待機児童数が非常に多く、(保育園に入りやすくなるよう)年度途中で復帰し、4月に入所できるように体制を整えました」というコメントも寄せられた。
全労連常任幹事の大西玲子さんは調査結果を受けて、「現在、育児介護休業法の改正法案が国会に提出されているが、妊娠・出産・子育てをしながら安心して働き続けるための法改正となってほしい」と述べた。
(弁護士ドットコムニュース)