舞台『レディエント・バーミン Radiant Vermin』が、7月12日から東京・三軒茶屋のシアタートラムで上演される。
『レディエント・バーミン』はイギリスの劇作家フィリップ・リドリーによる劇曲。ミス・ディーと名乗る仲介者から届いた「夢の家を差し上げます」という手紙をきっかけに、荒れ野に立つ一軒家を手に入れた若い夫婦のオリーとジルが、夢の家にまつわる残酷な秘密を知り、家を不思議な「光」で装飾していく、というあらすじだ。タイトルの「レディエント・バーミン」は「光るゴミ」を意味する。
家の秘密の虜となるオリーとジルを演じるのは、高橋一生と吉高由里子。謎めいた家の仲介人ミス・ディー役をキムラ緑子を演じる。3人は初共演となる。演出を担当するのは、これまでもリドリーの戯曲を演出している白井晃。チケットの一般販売は5月22日からスタート。
■高橋一生のコメント
フィリップ・リドリーと白井さんの作品に出演させていただくのは二度目、白井さんとはもう四度目となります。僕は白井さんとお仕事をさせていただくことをライフワークにしていきたいと思っていますので、また白井さんの所に戻って来られる嬉しさが今、何よりもまず先行しています。また吉高さん、キムラさん、初めて共演させていただく方たちと一緒ですので、その喜びと楽しみだけで稽古前までは過ごせそうです。前作『マーキュリー・ファー』は予言書のような作品で、作品が現実とリンクしていく様を目の当たりにするという生まれて初めての体験をしました。今回もきっと面白いものができると僕は確信しています。
■吉高由里子のコメント
去年の2月に白井さんが演出をされた舞台『マーキュリー・ファー』を見させて頂きました。自分の身体の中が異常に興奮した事を今も覚えています。その時は、まさか自分がフィリップ・リドリー作品に出るなんてことは思いもしていなかったので、生きていると何が起こるかわからないなぁと改めて感じています。
この度、私の大好きな作家さんの作品と大好きな演出家さんと尊敬している役者さんに没頭できる機会を頂きました。その期間と出会いを、とても楽しみに大切にしていきたいと思います。
■キムラ緑子のコメント
白井晃さん、高橋一生さん、吉高由里子さん、私にとって初めての方ばかりです。そして同時代の劇作家が書いた翻訳劇への出演、またシアタートラムの舞台に立つことも久しぶりですので、とても新鮮な気持ちで挑ませていただくことができそうです。一筋縄ではいかない戯曲の中で、高橋さん吉高さん演じる夫婦と相対する一筋縄ではいかない役を演じますので、白井さんや皆さんと沢山対話をし、稽古を積み重ねながら、濃密な芝居を皆さんにお届けできたらと思います。
■白井晃のコメント
フィリップ・リドリーの作品を世田谷パブリックシアター/シアタートラムで上演するのは本作で5度目になります。2002年に上演した最初の作品からすっかりリドリーの魅力にとりつかれたのですが、時を経て、彼が描く作品がより切実味をもって私たちに迫ってきていると感じています。本作はこれまでの作劇法とは違う、新しい部分もありながらも、人間の本質を鋭く突き付けるような作品です。最初に読ませていただいた時に、大きなショックと感動を受け、リドリー作品を演出してきた者として、これは今すぐに上演しなければいけないと、一種義務感のような思いが湧いてきました。信頼をしている高橋一生さん、そして初めてご一緒する、とてもチャーミングで魅力的な吉高由里子さん、素晴らしいベテラン女優のキムラ緑子さんとともに創る世界を、ぜひ体感していただけたらと思います。