サハラ・フォース・インディアは、2016年型F1マシンVJM09・メルセデスを22日、スペインのバルセロナで初披露した。VJM09はチーム史上ベストリザルトを達成した昨年型をさらに進化させたものであり、改良はうまくいったとチームは好感触を抱いている。
2017年F1には大幅な規則変更が予定されているため、テクニカルレギュレーションがほぼ変わらない今年はリソースをセーブし、マシンに革新的な変更を行うのではなく、昨年型の進化型とすることを決めたとチームは述べている。VJM09は2015年型Bスペックをベースに改良が施されたマシンだ。
2015年、フォース・インディアはイギリスGPでのVJM08のBスペック導入に伴いパフォーマンスが向上、ベルギー以降は全戦で入賞、セルジオ・ペレスがロシアで3位表彰台を獲得した。最終的に136点を獲得したフォース・インディアは、メルセデス、フェラーリ、ウイリアムズ、レッドブルに次ぐランキング5位という、チーム史上ベストリザルトを達成した。
「去年のBスペックカーをベースとして、2016年のマシンを作った」とテクニカルディレクター、アンドリュー・グリーンが述べた。
「(昨年は)コース上のパフォーマンスが非常によく、収集したデータと予測との相関性も非常に優れていた。そのため堅実なプラットフォームがあることは明らかであり、それを基に開発を続けることが可能だった」
「2017年にレギュレーションが変わるので、今年1年という短いプロジェクトのために一から作り直すのは、リソースの面で効率的ではないと考えた」
「2015年シーズンを終えた時と同じ状態で2016年をスタートしたい」とチームプリンシパルのビジャイ・マルヤは語っている。
「この冬の間に成し遂げた進歩にテクニカルチームは大満足している。あらゆる面から考えて、中団のトップの位置を守れると思う」
チームオペレーティングオフィサーのオットマー・サフナウアーによると、チームは開幕前とヨーロッパラウンドに向けて、大規模アップグレードを行うことをすでに決めているという。
「ケルンの風洞プログラムがとてもうまくいくようになってきている。冬の間に成し遂げた前進に大きな期待を抱いている。最初の大きなエアロアップデートは、メルボルンの前に行うつもりであり、ヨーロッパラウンド開幕に向けてさらに大きな改善を導入する予定だ」
VJM09のカラーリングは昨年と同様のブラック&シルバーを基調としたもの。マルヤはこのカラーはF1全マシンの中でもとりわけ美しいと考えている。
「このカラーはパートナーや伝統を表すものだ。先入観があるのかもしれないが、我々のマシンは全チームの中で最も美しいマシンのひとつであると考えている。だから2016年もこのカラーリングを維持することにした。『うまく機能しているものを変える必要はない』とよく言うではないか」
フォース・インディアのレースドライバーは昨年同様ニコ・ヒュルケンベルグとセルジオ・ペレスのペア。プレシーズンテスト初日の22日は、開発ドライバーのアルフォンソ・セリスがステアリングを握っている。