2016年02月23日 19:22 弁護士ドットコム
ボクシング亀田三兄弟の二男・亀田大毅選手の世界タイトル戦の直前に、長男の興毅氏や三男の和毅選手らが「監禁・恫喝・暴行事件」を起こしたというブログ記事によって「名誉を傷つけられた」として、興毅氏らがフリージャーナリストに慰謝料を求めていた訴訟の判決が確定したことがわかった。
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東京地裁は1月27日、「興毅氏らによる監禁・恫喝と評価される行為は一切なかった」と認めて、フリージャーナリストに対して計300万円を支払うよう命じる判決を下していた。興毅氏側とフリージャーナリストの双方が控訴しなかったため、興毅氏らの勝訴判決が確定した。興毅氏らの代理人をつとめる北村晴男弁護士が2月23日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いて明らかにした。
亀田興毅氏は、北村弁護士を通じて、「この度、一連の裁判における判決が確定し、真実が明らかになったことに一安心しています」「自分たちはこれからも前を向いて、まさに亀の如く力強く進んで行きたいと思います」というコメントを発表した。
ことの発端は、2013年9月におこなわれた大毅選手のIBFスーパーフライ級世界タイトル戦。試合の直前に、使用するグローブをめぐって興毅氏らから監禁などを受けたと、日本ボクシングコミッション(JBC)の職員が記者会見などで主張したのだ。
この主張に対して、興毅氏らは「名誉を傷つけられた」として、JBC職員を相手取り、慰謝料を求める訴訟を起こしていた。東京地裁は昨年9月、「監禁などは一切なかった」として、JBC職員に計320万円を支払うよう命じる判決を下した。JBC職員は判決を不服として控訴したが、北村弁護士によると、2月12日付で控訴が取り下げられたため、判決が確定した。
北村弁護士は記者会見で「現役のプロボクサーの名誉を害し、その選手生命を不法に奪うがごとき行為は絶対に許されるものではない」「公正・公平な組織運営が阻害されている」などとして、JBCの体制を批判した。
さらに、北村弁護士は、1月14日に興毅氏らと亀田プロモーションが、JBCとその理事10人を相手取って、約6億6000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたことを明かした。
(弁護士ドットコムニュース)