バブル崩壊以降、リーマンショックなどを経てサラリーマンの給与は減り続け、最近は家計を回していくために夫婦共働きの家庭も多い。どちらも仕事があるので家事はうまく分担するべきだが、性別役割意識はなかなか変わらないようだ。
2月21日、はてな匿名ダイアリーに「共働きなのに家事は全部女がやって当然と思われてるから日本死ね」という投稿が寄せられた。筆者は1年ほど前に、職場の先輩と結婚したアラサー女性。現在も総合職として働き続け、出張や残業もこなしているが、職場の「おっさんたち」から「愛妻弁当作ってるの?」「毎晩ご飯作ってるの?」と言われるのが正直イラッとするのだという。
「家事も仕事も完璧なスーパーウーマンしか共働きはしちゃいけないの?」
もちろん筆者は忙しく、そのような時間を取ることも難しい。このため「お昼はお互い好きなもの買ってます!」と返すと、微妙な顔をされるのにもイラッとくるとし、
「なんだよ。毎日朝昼晩作れってか?そうじゃない女は妻失格か?というか女失格か?日本死ねよ。なんで平等に働いてるのに妻が弁当作ってくれると思ってんだ」
と怒りが収まらない様子だ。夕食も早く家に帰った方が作ればいいと思っているが、職場のおっさんたちにはそういう発想自体がなく、鳥肌が立つという。
もちろん、おっさん世代が若いころは、専業主婦の女性が家庭のことをすべてやっていたことも把握している。バックグラウンドが違うので悪意がないことも分かっているが、聞き流すことはできないようだ。
「家事も完璧にこなしつつ仕事もバリバリできるスーパーウーマンも中にはいるかもしれないけどそういうスーパーウーマンしか共働きはしちゃいけないの?」
さらに将来子どもを産んだら、さらに「『完璧な妻』かつ『完璧な母』までやらなきゃいけなくなる」とし、「日本死ね。海外移住したい」と吐き捨てている。
日本は男女平等ランキング101位、家事分担も依然として進まず
筆者の夫は妻が仕事を続けることに理解があるというが、それでも周囲の人にあれこれ言われると気に障るのだろう。この投稿には、400件近いはてなブックマークが付いた。
コメント欄には「悪意なく酷いことを言い続ける人と毎日いると消耗しますよね」と同情する声のほか、世界経済フォーラムの男女平等ランキングで、日本が145か国中101だったことに言及する人もいた。
「10年前、結婚したらこんなことばっか言われて『あれ?』と思ったけど、10年経って更に共働きが増えてもこの辺の感覚は全然進歩してないんだなー」
また、筆者と夫との家事分担比率が7対3ということに対して、「ちゃんと夫にも半々で家事をやらせるべき」といった声も出る。
OECDが2012年に行った調査では、日本の女性が1日に家事に充てる時間は299分、一方で男性は62分だった。男女差は237分で、これは加盟国25か国中2番目にひどい数字だ。共働きが増えているのだから、今後はなるべく差を縮めていくべきだろう。
ほかには、おっさんの言う通りにしなくても「夫婦で合意できてれば良いのではないの? 他人にとやかく言われても無視してよろし」といった見方もあった。精神衛生的にはスルーするのが一番かも知れない。
筆者追記「胸を張って共働きで家事分担することにします」
一方で、最近はてな界隈で流行している「日本死ね」というフレーズが安易に使われすぎている、という指摘も出ていた。「『日本死ね』ではなく『おっさん死ね』でいいのでは」というのだ。
こうした声に対し、筆者は2月22日、追記を投稿。職場のおっさんだけではなく、社外の知人や親戚からも「共働きだろうがなんだろうが家事は女がやってる」と言われ、「そんな風潮がある日本は死ね」と思ってしまったのだという。
コメントには励まされたといい、「夫婦間では納得してるんだから、我が家では他人になにを言われても気にせず、胸を張って共働きで家事分担することにします。ありがとう」と感謝している。
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